Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
核融合科学研究所で実施されている大型ヘリカル装置(LHD)実験では,約1時間までの準定常運転実験を計画している.そこで新たな実時間データ処理システムに対して要求される仕様を,昨年までの作業で洗い出し,概念設計としてまとめたが,今年度はシステム実装に向けた問題点の技術的解決方法の具体的検討を行なった. まず実時間処理型デジタイザ・フロントエンド(DFE)を実装する際の基本仕様として,現在のLHD計測でもほぼ十分な,1筐体あたり100kHz連続サンプリングADCを100チャネル以上という設定を行なった.これは16ビット以下のADCを利用した際に20MB/sのリアルタイム・データ・ストリームを生成することに相当し,関連する処理系は連続無停止でこのストリームを処理できなければならない.しかもこうした筐体が計測器ごとに設置される可能性が十分に想定されるため,この処理系を現在の計算機(PC)関連技術で実現するには,必然的に計測器ごとに並列に分散した転送・弁別処理・表示格納の系統を持つことが必須条件となる. DFEとPC内部のデータ転送経路は,共に電気特性が同じPCIbus規格の利用が望ましいことが昨年度までの研究調査で判明しているが,その間の伝送経路に何を利用するかの技術的調査を行なった結果,LHD実験など大規模装置で特に重要なDFE-PC間の距離的延長と電気的絶縁とを光トランシーバなどを用いて確保できる可能性があるとして,USB2.0,IEEE1394b,Cebringなどシリアルバス系で200Mbps以上の能力を持つ規格が検証対照に挙がった.従来のCAMACシステムで使用していたSCSI規格は,同期式パラレルバス転送であり,延長の際には転送タイミングが非常に厳しくなり,結果として転送エラーの発生確率を上昇させることが,この試験により確認された. また核融合実験で利用するDFEには大きな対電気ノイズ特性が求められる.VME,CompactPCI規格では筐体・モジュール仕様ともこうした特性が十分でないため,新たに核融合研究(FR)仕様の策定とそれによる筐体・ADCモジュール設計を行ない,ボードメーカー(電産)の協力の下,開発試験と実装を行ない,ADCボードおよび筐体の対ノイズ性能を確認した.
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