逆コンプトン散乱を用いたコヒーレントX線発生の研究
Project/Area Number |
10780321
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nuclear engineering
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
天野 壮 姫路工業大学, 高度産業科学技術研究所, 助手 (50271200)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | コンプトン散乱 / X線 / コヒーレンス / ガラススラブレーザー / 電子線形加速器 / 光陰極 / ピコ秒モードロック / コンプトンX線 / ガラスレーザー / モードロックパルス / マルチパス増幅 |
Research Abstract |
光速近くにまで加速された相対論的電子ビームに近赤外レーザー光を衝突させると、逆コンプトン散乱過程(広義の意味、トムソン散乱含む。)によってX線光が得られる。本研究は、このX線のコヒーレンスを上げる目的で成された。その一方法として、衝突される加速電子にその位相が揃う様な密度変調を与え散乱X線光のコヒーレンスを改善するというアイデアを得た。この考えは、音響波回折格子(AOM)のアナロジーとして得られた。音響波の場合、音速で移動する固体媒質の密度変調が回折格子として働く。これを光速近くで移動する電子密度変調に置き換えれば、加速電子も回折格子としても働くであろう。 この検証のため実験システムを構築した。先ず、現有のエネルギー15MeVの光陰極電子線形加速器(LEENA)を用い、これによって生成される電子ビームに密度変調を与える事を行った。電子の通過するアンジュレーターの両端に全反射ミラーを置き放射光による約60ミクロン周期の密度変調を得た。次に発生X線量を増大するため入射レーザーの増幅システムを開発した。LEENAの光陰極励起に用いるピコ秒モードロックNd:YLFレーザーの一部を切り出しガラススラブレーザーで増幅するシステムである。最終出力はマクロパルスエネルギーで10J(ミクロパルス当り〜10mJ)のパルス列。これによって電子ビームと空間的・時間的に一致した増幅光子ビームがタイムジッターなく得られ、効率のよい衝突が可能となる。この時生成されるレーザーコンプトンX線は波長0.3nm、〜10^7photons/sと計算された。 平成12年度にこれらを用いた逆コンプトン散乱実験を行い、X線のコヒーレンスを実際に計測しその特性を明らかにする予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)