Project/Area Number |
10780344
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
環境保全
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
大澤 敏 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (50259636)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 生分解性ポリマー / ポリ乳酸 / 分解予測 / 有用微生物 |
Research Abstract |
本研究では、生分解性プラスチック(ポリ乳酸)が置かれたコンポスト中での各種微生物による分解効果を詳細に検討し、その定量化を試みた。まずポリ乳酸(PLA)の分解を促進する微生物について検討した。従来から有機農法の分野で知られている有用微生物群をPLAの置かれたコンポスト及び土壌中に添加し、その分解促進効果について検討した。その結果、園芸用の土壌では添加、無添加にかかわらず破断強度の低下はほとんど見られなかった。一方コンポスト中では、添加により強度低下が36℃で約40%促進された。このように有用微生物群の添加効果はコンポスト中で顕著であることが明らかになった。 次に微生物群の添加効果の大きいコンポスト中で、微生物数と分解速度との関係を検討した。まず滅菌させたコンポスト中にPLA試料を埋設したところ、4週間経過後においても破断強度の低下は見られなかった。従って微生物数ゼロでは、分解はほとんど起こらないことが明確になった。そこで、コンポストの熟成度を変えることにより各微生物数を変化させ、分解にどのような影響があるかについて検討した。その結果、5〜10日間程度熟成させ微生物数を増加させることにより、PLAの破断強度が低下した。そのときの各微生物群(一般細菌・糸状菌・放線菌)が分解にどの程度関与しているかを統計的手法の一つである重回帰分析により定量化した。分解の指標としてPLAの破断強度を選び破断強度の低下に与える各微生物の影響を菌体数10^8当たりで比較したところ一般細菌:糸状菌:放線菌が0.06:84:0.40の比でPLAの分解に寄与していることが明らかとなった。このように、糸状菌群が他の微生物群に比べ100倍以上も分解に関与していることを明らかにした。またコンポスト中の微生物の種類とその数がわかれば、ポリ乳酸の分解速度を定量的に評価できることを明らかにした。
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