シナプス終末で働く遺伝子群の共役的発言制御機構の解明
Project/Area Number |
10780364
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural biochemistry
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
原田 真市 金沢大学, 医学部, 助手 (90272955)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | C.elegans / unc-18 / unc-64 / GFP / single-strand / site-directed mutagenesis |
Research Abstract |
記憶等神経高次機能を制御する神経細胞間情報伝達はシナプスによって担われている。原田はこれまでに、神経伝達物質がシナプス前終末に異常蓄積する変異体の解析から正常なシナプス伝達にはこれらの遺伝子群が神経細胞で共役的に発現することが必須であることを明らかにした。この共役的遺伝子発現の調節機構の解明がシナプス伝達を知る鍵となると考えられる。そこで、(1)シナプス伝達関連遺伝子群の共役的発現制御領域をを明らかにし、(2)神経前終末遺伝子発現の共通性・互換性からシナプス伝達に寄与する因子の遺伝子発現制御ネットワークの構築が本研究の目的である。 1.神経特異的な発現制御領域の同定のため線虫C.elegans unc-18およびunc-64ゲノムDNAをクローニングした。PCRで増幅した当該遺伝子上流域DNA断片をGreen Fluorescent Protein(GFP)をレポータ-遺伝子とする発現ベクターに組み込み、トランスジェニック線虫のGFPの発現パターンを観察した。その結果、unc-18遺伝子では上流域-366から-53bpのDNA断片で、またunc-64では上流域-800bpのDNA断片で両者共に神経特異的な発現を示した。 2.C.elegansの近種であるC.briggsaeのunc-18上流域をC.elegans unc-18とDNA配列を比較したところC.elegans unc-18上流域-359から-34lbpの19bp範囲で非常に高い相同性を示せす領域を見つけた。しかし、この配列はunc-64中では高い相同性を示す領域は認められなかった。unc-18上流域内の19bpについてsite-directed mutagenesis法により2文字毎に塩基置換を行った発現ベクターを構築し、レポーター活性の局在を指標に神経特異的発現に必須なヌクレオチドを決定した。この結果から19bp内の5'ACX_4SSX_4TTG3'配列がunc-18遺伝子発現に不可欠であることを明らかにした。 以上の結果からC.elegans unc-18の神経特異的な遺伝子発現は上記配列に特異的に接合する因子において制御されていることが示唆されたが、unc-64上流域との比較からは共役的発現制御にはさらに別の領域が関与することが推定される。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)