Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
前年度の研究結果を受け,引き続き今年度では大腸菌由来シャペロニン蛋白質GroELのR231W変異体を用い,標的蛋白質認識に携わるアピカルドメインの構造変化解析を行った。 前年度後半においてGroELR231W変異体とATPを混合した際に生じるトリプトファン由来の蛍光スペクトル変化をストップト・フロー蛍光分光光度計で観測した結果,k_<app>=3.9×10^<-2>sec^<-1>という反応速度を持つ蛍光強度増加を観測したが、今年度の実験ではこれに加えて新たに3種の構造変化を示唆する蛍光強度変化を観測することに成功した。これらの強度変化はすべて前年度観測されたものよりも速度定数が速く,また,混合するATPの濃度に依存してその速度定数が変化することが確認された。これらの蛍光強度変化のうち,1種類のみ補助蛋白質とGroESを同時に添加しないと検出されなかったものがあり,この蛍光強度変化はGroEL蛋白質とGroES蛋白質が会合する様子を反映していると思われる。同様の実験をATPではなくADPを用いて行った場合,蛍光強度変化の様子はATPの場合と全く異なり,1種類の蛍光強度変化のみ観測された。このことより,GroELがATPを結合する際にアピカルドメインに引き起こされる構造変化は,ADPが結合する際の構造変化とは基本的に異なっており,この構造変化の違いがGroELのシャペロニンとしての機能を調節する重要な役割を持っていると考えられた。
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