腫瘍壊死因子によるアポトーシス誘導のシグナル系におけるcPLA_2の役割の解明
Project/Area Number |
10780393
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
服部 明 理化学研究所, 細胞生化学研究室, 研究員 (50300893)
|
Project Period (FY) |
1998 – 1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 腫瘍壊死因子 / アポトーシス / 細胞内シグナル伝達系 / cPLA2 / Caspase / 阻害剤 / インテグリン / L929細胞 / 細胞質ホスホリパーゼA2 / MAPキナーゼファミリー / COX-2 / セラミド / シグナル伝達 |
Research Abstract |
最近、TNFのアポトーシスシグナル伝達系においてシステインプロテアーゼであるCaspaseの役割が重要であることが報告されている。そこで、cPLA2を介してTNFによるアポトーシスが誘起されるL929細胞でのCaspaseの役割を検討するため、Caspase特異的阻害剤を用いた解析を行なった。その結果、L929細胞をCaspase-3特異的阻害剤であるAc-DEVD-CHOおよびCaspase-1特異的阻害剤であるAc-YVAD-CHOを添加した後TNF刺激したところ、いずれの阻害剤によってもアポトーシスは抑制されず、TNFによるL929細胞のアポトーシス誘導にはCaspaseはあまり重要ではないと考えられた。一方、広域Caspase阻害剤であるz-Asp-CH2-DCBを添加した後にTNF刺激した際は、予想に大きく反し、TNFの細胞死が増強されることが明らかとなった。ごく最近、ネクローシス形態を示すCaspase非依存的な細胞死の存在が明らかになったことから、cPLA2はL929細胞のCaspase非依存的な細胞死のシグナル伝達系に関与している可能性が示唆された。 また、細胞死抑制性シグナル経路におけるcPLA2の役割を検討した結果、cPLA2欠損によってTNFに対する感受性が低下したC12細胞において、TNF刺激4時間後に、細胞外からの細胞死抑制シグナルを伝達するインテグリンβ1の一過性の活性化が認められ、それは親株であるL929細胞においては認められなかった。このことから、cPLA2は、、L929細胞内においてTNF刺激後に誘起する細胞死抑制性シグナルを遮断することで、細胞死の実行に寄与していると考えられた。
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)