レチノイド-線溶-TGFβシステムの分子機構と生理的意義
Project/Area Number |
10780395
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小嶋 聡一 理化学研究所, 分子細胞生物学研究室, 先任研究員 (10202061)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ビタミンA / レチノイド / 核内レチノイン酸受容体 / Sp1 / Zf9 / 組織線溶 / TGF-β / 肝線維化 |
Research Abstract |
ビタミンAの新しい機能発現機構として、申請者が見い出した「レチノイド-線溶-TGFβシステム」の詳細を解析し、その生理的意義について検討する為に、 1.核内レチノイン酸受容体(RAR)とSp1が物理的相互作用をするとSp1のGCボックスへの結合能か高まり、uPAに加えて、TM、Tgase、TGFβ、並びにその受容体遺伝子の転写が促進されること、この時、Sp1が結合するGCボックスの3'側領域にプリン塩基とプリミジン塩基が4つ以上連続して存在しないこと、言い替えれば同領域にプリン塩基とプリミジン塩基が混在していることが重要なこと、並びに同相互作用には核内受容体のC/D領域とSp1のDNA結合領域が大事な働きをしていることを見い出した。RAR-Sp1相互作用自身はリガンド非依存性であり、RAの刺激で細胞内RAR量が増えるとRA非依存的にSp1の転写活性を促進することにより転写活性化を引き起こすこと、uPAを含む幾つかのレチノイド応答遺伝子のプロモーター上には、従来知られていた核内受容体の結合配列はなく、核内受容体とSp1との相互作用を介してこれらの遺伝子の転写が促進されることが示唆された。さらに、傷害を受けた血管や肝臓においては、Sp1とファミリーを形成するKruppel-like因子の一つ、新規転写因子のZf9が誘導され、Sp1の代わりにuPA遺伝子発現促進を通して細胞膜上線溶反応を亢進し、TGFβの活性化を引き起こしていることを見い出した。 2.肝臓が傷害を受けると星細胞に蓄えられているビタミンAの代謝が高まり、all-trans-,9,13-di-RAが生成し、星細胞に働いて「RARへの結合・活性化→Sp1の転写活性促進→PA遺伝子の発現促進→細胞表面プラスミン活性の上昇→TGF-β産生活性化の誘導→コラゲンの産生促進、及びコラーゲナーゼの産生抑制、肝実質細胞の機能低下」という分子機序により肝線維症・肝硬変が促進される。今年度は、プロテアーゼインヒビターがTGF-βの遊離活性化をブロックするとともにTGF-β自身の活性を阻害することによって、それ以降の反応、即ち肝線維症・肝硬変促進が抑えることをin vitro培養系、並びにin vivoブタ血清投与ラット肝線維化モデルにおいて示した。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)