光合成膜内アンテナの微細会合構造解析とアンテナ機能発現のための色素会合要因の決定
Project/Area Number |
10780398
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小林 正幸 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70271864)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 膜内アンテナ / 磁気円偏光二色性 / B / D解析 / 色素会合体 / 配位構造 / 電子構造 / 電子的相互作用 / Zn-BChl / 光合成膜内アンテナ / バクテリオクロロフィル / LH1αサブユニット / アルギニン残基 / 配位状態 |
Research Abstract |
光合成膜内アンテナは光合成明反応の原動力である光エネルギーの獲得を行う色素-タンパク質複合体である。この膜内アンテナの機能発現に光合成色素(クロロフィル類)の会合体形成が欠くことのできない要素である。まず、種々の溶媒中におけるバクテリオクロロフィルa,cについて、吸収および磁気円偏光二色性解析(B/D解析)を行った。この結果、両バクテリオクロロフィルの電子構造を解明し、バクテリオクロロフィルの詳細な配位構造を明らかにした(Biochim.Biophys.Acta 1410,19-31&Biochim.Biophys.Acta,in press)。また、紅色光合成細菌Rhodospirillum rubrumの膜内アンテナは界面活性剤の濃度により,吸収極大位置が880nm,820nm,770nmへと変化することが知られている。これらの3状態について、B/D解析を行うことでバクテリオクロロフィルの配位構造・電子構造を解明した。この結果、880nm状態ではバクテリオクロロフィル2分子の強い電子的相互作用が示され、820nm,770nm状態ではその相互作用はほとんど存在しなかった。82nm状態に於いて電子的相互作用がほとんど存在しないことは極めて新しい知見であり、この電子的相互作用の有無がアンテナ機能発現のための色素会合要因であることが示唆された(Biochim.Biophys.Acta,in press)。更に、近年、バクテリオクロロフィルの中心の金属が亜鉛であるバクテリオクロロフィル(Zn-BChl)を持つ光合成細菌が発見され、このZn-BChlを含むアンテナ錯体・反応中心についてB/D解析を行った。この結果、アンテナ錯体はMg-BChlのものと同様の電子的相互作用を持つものと考えた。しかし、反応中心の第一電子供与体ではそのカチオン状態において電子がダイマーの一方に局在化しているなど、Mg-BChlのものとは大きく異なるものであることを明らかにした(Biochemistry,in press)。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)