バクテリオロドプシンの励起状態ダイナミクスのランジャバンモード解析
Project/Area Number |
10780407
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
倭 剛久 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90251587)
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Project Period (FY) |
1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | バクテリオロドプシン / イエロープロテイン / 発色団 / 励起状態ダイナミクス / 分子動力学シミュレーション / 非断熱遷移 / レチナール / クマル酸 / 励起状態 / 光異性化 |
Research Abstract |
光容蛋白質のエネルギー変換やシグナル伝達機能は生命活動にとって重要である。そのメカニズムの解明には原子レベルで蛋白質の振る舞いを記述する分子動力学シミュレーションが役立つ。本研究の重要な研究成果をまとめると以下のようになる。バクテリオロドプシンの光異性化反応の詳細な機構、イエロープロテインの光吸収直後のダイナミクス、光受容蛋白質の励起状態ダイナミクスを調べるための方法論とソフトウェアの開発。 光異性化反応を計算機で再現するには発色団レチナール近傍の構造を正確に構築する必要がある。シッフ塩基プロトンに水分子を水素結合させると、500fsの時間オーダーで高効率の光異性化をシミュレートすることができた。われわれはこの水分子を「潤滑水」と呼ぶことにした。異性化と同時にシッフ塩基プロトンと水分子との間の水素結合が常に切れていた。室温のシミュレーションでレチナール近傍の構造を調べると、Thr89-ASP85-潤滑水ーAsp212-Tyr185の水素結合ネットワークが安定に保存されていた。潤滑水をおかないモデルでは、500fsの時間オーダーでの光異性化を再現できなかった。したがって、上述の水素結合ネットワークが公庫立の光異性化反応にとって重要であると考えられる。計算で得られた光異性化速度には、ばらつきが認められた。バクテリオロドプシン変異体では異性化速度に極端に遅い成分が出現する。これらの現象を励起状態のポテンシャル面の形状、発足団の構造揺らぎ、励起状態と基底状態のカップリング、そして非断熱遷移確率の変動などの観点からさらに調べる必要があるだろう。また、これらの研究成果を本にして、ロドプシンノ励起状態ダイナミクスを調べることも重要な課題である。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)