DNA凝縮を制御するためのパラメーター設定に関する基礎研究
Project/Area Number |
10780408
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
松澤 有希子 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (10273335)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | DNA凝縮 / グロビュール化 / 凝縮剤 / レーザートラップ / 凝集 / DNA / 局所反応制御 / 局所温度制御 / 局所イオン制御 / 制限酵素 / 蛍光観察 / ゲノム解析 |
Research Abstract |
遺伝子工学において、DNA凝縮はDNAのマニピュレーションや効率的な遺伝子導入をもたらす上で重要な構造体であると考えられる。そのためには、DNA凝縮に関する物理化学的なメカニズムを理解する必要がある。本研究では、2年の間に以下のような結果を報告したのでここに記す。 1)酵母のゲノムサイズのDNAでも容易に安定なグロビュールを作成することが分かった。1本のDNA上に数個の凝縮ができたものと考えられるが、この構造は安定であり、応力をかけても電気泳動で長さの確認をした結果断片化されていないことが明かとなった。 2)DNA凝縮体を1064nmの波長を持つレーザーでトラップすることが可能であることを明らかにした。 3)様々な凝縮剤(PEG-MgCl2、スペルミジン、カチオン性界面活性剤)により形成されたDNAの凝縮体は、それぞれレーザーによるトラップ力が異なることが分かった。 4)DNAの長さによってグロビュールの大きさが変わり、さらに、1064nmの波長を持つレーザーでトラップしたとき、長さとトラップ力の間には比例関係があることが分かった。 5)溶液中の条件を調節すれば、短いDNAでも1つの凝縮体を形成したり、また何分子も集まって数珠状になることが分かった。主な原因は、水溶液中の塩濃度によるものであることが示唆される。 6)レーザーにより2つのグロビュール(PEG-MgCl2、スペルミジンにより引き起こした)をいったん重ねるとレーザー光をカットした後も離れず溶液中を漂うことが分かった。このことから、グロビュール間には引き合う力があり、DNAの対イオンがDNAの電荷の遮蔽のために分散化する傾向があり、DNAの濃度を高めたときに生じる凝集の原因だと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)