Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
細胞性粘菌(以下、粘菌という)のオシリン遺伝子破壊株は細胞集合はするが細胞分化ができない。この株はBHQの添加、あるいはハムスターのオシリン遺伝子を導入することで野性株と同様の表現型を回復することから、当該遺伝子は細胞内カルシウム濃度を調節していると考えられる(論文発表)。野生株では細胞分裂期に当該遺伝子の発現が抑制されていること、およびオシリン大量発現株は巨大な多核細胞になることから、粘菌のオシリンは細胞周期を制御(M期を阻害)することが考えられる(論文発表)。ノザン解析の結果、粘菌オシリンは細胞周期による発現調節と細胞分化による発現調節を受けていることがわかったので発現調節機構を明らかにするために遺伝子発現調節領域(約1400塩基)をゲノムからクローニングし塩基配列を決定した。この領域の変異体を構築しレポーター遺伝子の発現変動を解析したところ、この領域内にあるDdSTAT結合配列およびMyb結合配列が重要であることがわかった。現在これらの配列をプローブにしてゲルシフト法により蛋白質の結合を解析している。また、粘菌オシリンとGFPの融合蛋白質を粘菌細胞で発現させたところ細胞膜付近に一様に存在することがわかった。ハムスターオシリンは精子内では局在していることが報告されており、哺乳類と粘菌では異なる結果となった。
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