視床神経核形成における位置特異的な細胞形質の決定機構の解明
Project/Area Number |
10780470
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nerve anatomy/Neuropathology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
嶋村 健児 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70301140)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 神経発生 / 視床 / 神経核 / 領域特異性 / シグナル分子 / パターン形成 |
Research Abstract |
脊椎動物の間脳領域に位置する視床では、多数の神経細胞が神経核とよばれる組織構築をとって存在している。これらの神経核では、同じ特性を持つ神経細胞が集合体を形成し、性質の異なる神経細胞の集合体から分離して存在している。本研究では、このような視床の各神経核の個性がどのようなメカニズムによって決定されているかを解き明かすことを目的としている。本年度は、視床核形成の早期から視床核特異的に発現する分子マーカーを検索した。その結果、4種類の転写制御因子に注目し、これらの発現がどのように制御されるか、また、視床核決定におけるこれらの役割について検討を行った。まず、視床原基の神経上皮細胞の区画を単離し、各視床神経核マーカーの発現が位置特異的に起こることを、in vivo、およびin vitroで明らかにした。この結果から、少なくとも神経細胞が分化する以前に、視床原基に内在するしくみによって、各視床神経細胞の個性が規定されていることが示唆された。次に、このような内在性のしくみを明らかにするために、視床原基の前方境界に発現する分泌シグナル分子であるSonic Hedgehog(SHH)に注目し、この役割について検討した。SHHを異所的に発現させると、異所性の視床神経核マーカーの発現が観察された。また、抗体によってSHHの機能を阻害すると、各視床神経核マーカーの発現が抑制されることがわかった。さらに、これらの転写因子を異所的に発現させたところ、相補的な発現を示すものの発現が抑制されることがわかった。これらの結果から、視床原基の辺縁に発現するシグナル分子が、視床原基の神経上皮細胞をパターン化し、その結果発現誘導される特異的転写因子の相互作用によって、各視床神経細胞が位置特異的に産生されることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)