TNF-αノックアウトマウスを用いたエイズ痴呆コンプレックス発症機構に関する研究
Project/Area Number |
10780478
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurochemistry/Neuropharmacology
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
斉藤 邦明 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (80262765)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | AIDS / 痴呆 / TNF-α / 記憶 / サイトカイン / 脳神経疾患 / 炎症 / エイズ / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
TNF-αのAIDS dementia complex(ADC)における役割を明らかにするため遺伝的に正常なC57BL/6(wild)マウスとTNF-α遺伝子欠損マウス(TNFKO)の両群に、マウスエイズモデルとして知られるレトロウイルス(immunosupressive murine leukemia virus,LP-BM5)を感染させた。その結果、WildおよびTNFKOマウスの両群で非感染群に比べ脾臓、肝臓、リンパ節重量は著明な増加が認められた。また脾細胞のB220,CD4,CD8陽性率、LPS刺激に対する脾細胞のチミジン取り込み量もWild,TNFKO両群でLP-BM5感染により有意に変化し、著名な免疫不全を示した。したがって末梢における免疫不全の程度にTNF-α遺伝子欠損による影響は全く認められなかった。しかし、これらのマウスを用いた行動薬理学的試験(Y-maze test,Water finding test,Water maze test等)を行った結果は、Wildマウスでコントロール群に比べLP-BM5感染マウスで明らかな記憶障害が認められ、TNFKOマウスではLP-BM5感染による記憶障害は認められなかった。この結果は、エイズ患者末期に発症するADCにTNF-αが直接関与していることを示唆している(FASEB J,in press)。現在、ADC発症の原因と考えられている脳内の種々因子についてWildおよびTNFKOマウスの両方について検索中である。本研究の結果よりADC発症患者の脳内TNF-αを抑制することはADCを改善させるために重要であることが考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)