Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
|
Research Abstract |
軸索型ギラン・バレー症侯群モデル動物の樹立 ウシ脳ガングリオシド注射後軸索型GBSのモデル動物の樹立を試みた.(1)ウサギ13羽に実際に使用されていたウシ脳ガングリオシド2.5mgもしくはFreund完全アジュバントを3週に1回の割合で感作を繰り返した.初回感作後5-11週で13羽全例に運動麻痺が生じた.発症からピークに達するまでの期間は4日から13日であり,GBS同様急性発症の様式をとった.末梢神経の大径有髄線維は著しく脱落し,ワーラー様の変性を呈していた.リンパ球の浸潤や脱髄像は見られなかった.これに対して,アジュバント対照群10羽では発症しなかった.(2)ウシ脳ガングリオシド感作ウサギでは,初回感作後2週ないし3週でIgMクラスの抗GM1抗体が誘導され,3週ないし4週でIgGへクラススイッチした.クラススイッチ後3週程度でIgG抗GM1抗体はピークに達し,その後1週以内に運動麻痺が発症する傾向がみられた.(3)ウサギ末梢神経よりガングリオシド画分を精製した.簿層クロマトグラム免疫染色にて,発症ウサギの血漿IgGが認識するバンドはモノシアロガングリオシド画分に存在し,標準GM1と同様の移動度を示した.さらに,発症ウサギの血漿IgGが認識するバンドを薄層クロマトグラム-blotting後に質量分析を行い,GM1に由来するシグナルが検出された.発症ウサギの血漿IgGが認識する分子がウサギ末梢神経に発現するGM1であることを確認した.正常ウサギの坐骨神経の軸索にコレラ毒素が結合し,GM1が末梢神経の軸索に発現していることを支持した.本研究により軸索型GBSの動物モデルが樹立されたことから,その病態の解明と治療法の開発は飛躍的に進むであろう.
|