アレルゲンの経胎盤感作および食物アレルギーモデル作出に関する研究
Project/Area Number |
10780521
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Laboratory animal science
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Research Institution | 国立公衆衛生院 |
Principal Investigator |
今岡 浩一 国立公衆衛生院, 衛生微生物学部, 主任研究官 (90211755)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 食物アレルギー / 妊娠 / 経胎盤感作 / 卵白アルブミン(OVA) / IgE / コレラトキシン(CT) / 移行抗体 / 経口免疫寛容 / ラット |
Research Abstract |
食物アレルギー発症と胎生期の母胎胎盤を介した感作の影響を、経口免疫寛容との関連を含め、明らかにすることを目的とした。 1)妊娠中〜後期のBrown Norwayラット(母)に、CTの経ロ投与下で、OVAを尾静脈より免疫することにより、仔ラットにOVA特異的IgEを誘導する系を確立した。さらに、特異的IgGも移行抗体のみではなく、仔ラットが産生能をすでに獲得していることを明らかにした。 2)経口免疫寛容の成立に対する影響をみるため、仔に大量のOVAを経口投与後、OVAをA1um adjuvantと腹腔内に免疫した。CT非投与群では、免疫応答を示さず、経口免疫寛容が成立していることが確認された。一方、CT併用群では、特異的IgE,IgG(IgG1)が上昇し二次免疫応答を示し、経□免疫寛容が破綻していることが示された。 3)Th1優位であるC57BL/6、Th2優位であるBALB/c、サブストレインがコンベンショナルな環境下で皮膚炎を発症するNC/Ngaマウスを用いて、同様の検討を実施したが、明らかな傾向は認められなかった。今後、投与法を含め、さらに検討することが必要と思われる。 以上より、妊娠中〜後期の抗原(アレルゲン等)の大量摂取に、免疫機能修飾因子が加わると、その産児は、胎児期に抗原特異的IgE産生能を獲得し、かつ、その後の同一抗原に対し、経口免疫寛容が成立しないことが示された。一般に、食物抗原に対しては、経口免疫寛容が成立していて、そのため、食物アレルギーなどの病体の発症が抑制されていると考えられる。近年のアレルギー疾患増加に胎児期の経胎盤感作と、身の回りの種々の免疫修飾因子(大気汚染物質、内分泌撹乱化学物質など)が大きく関与している可能性が示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)