強誘電性ナノ結晶の2次元と3次元配列による誘電特性
Project/Area Number |
10874048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
恒川 信 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00023218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 賢司 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (50022140)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | チタン酸バリウム / チタン酸鉛 / ナノ結晶粒子 / アルコオキシド法 / 単分散 / X線光電子分光法 / 格子緩和 / サイズ効果 / セリウム酸化物 / ナノ粒子 / 逐次エマルション法 / 表面緩和 / 臨界サイズ |
Research Abstract |
研究分担者である石川は、強誘電体ナノ粒子として、チタン酸バリウムとチタン酸鉛を、アルコオキシド法により合成し、焼成温度と時間をコントロールすることにより、チタン酸バリウムでは10-500nmのサイズ領域で5種類の、チタン酸鉛では1-200nmのサイズ領域で4種類の、単分散とみなせるナノ結晶粒子を作成した。 今年度は、研究代表者である恒川が、これらの単分散ナノ粒子に対して、X線光電子分光法(XPS)による構成イオンの電子状態の定量的研究を行い、次のような結果を得た。 (1)チタン酸バリウムでは、粒径の減少と共にバリウムと酸素イオンの結合エネルギーが変化した。酸素イオンに対する変化は、水酸化物の割合が増大することに対応しており、バリウムイオンに対する変化は、バリウム・チタン原子間距離の増大に対応している。これは、結合性が配位性からイオン性に変わる時、チタンイオンでは、サイズがほとんど変わらないのに、バリウムイオンでは、サイズが増大するためである。 (2)チタン酸鉛でも同様に、粒径の減少と共に鉛と酸素イオンの結合エネルギーに変化が現われた。これらの変化は、チタン酸バリウムの場合と同じように説明出来る。 以上の結果は、セリアナノ粒子の場合と同様、粒径の減少と共に、格子定数の増大が生ずることを、合理的に示すばかりでなく、正方晶から立方晶への相転移も、イオン結合性の増大による等方的格子緩和現象として説明出来る可能性が高く、総括として、酸化物ナノ結晶の場合、金属よりも大きなサイズから物性の異常が現われるのは、量子サイズ効果ではなく、各構成イオンの結合性のサイズ効果によると結論される。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)