Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
1.森林総研の田中浩氏から提供していただいた小川森林保護区の航空写真による実測データに対して,我々が開発したイジングモデルによる解析方法を適用した.その際,パラメータを決定する新しい方法として,熱平衡状態で成立する相関等式を用いる方法を考案した.実際にこの方法を小川森林保護区の実測データの解析に応用すると,これまでのモンテカルロ法による方法ではパラメータを決定できなかった1991年のデータに対しても,パラメータを決定することが出来た. 2.小川森林保護区の実測データでは,林冠ギャップの有無という2値のデータだけではなく,各サイトでの樹林の最高値が与えられている.このため,林冠ギャップと林冠とを分けるしきい値を変えた場合に,林冠ギャップ・クラスターの統計性がどのように変わるかを調べることも可能である.従来のモンテカルロ法によるパラメータ探索では,しきい値を変えるごとにモンテカルロ・シミュレーションを行わなければならなかったため,系統的なデータ解析は困難であった.しかし今回,熱平衡相関等式を用いる方法が出来たので,しきい値を変えて系統的に調べることが出来た.結果として,しきい値の選び方に依らず,決定されたパラメータはどれもイジングモデルの臨界値に近いものであった. 3.森林動態に対する別の数理モデルとして,ある種の森林火災のパーコレーションモデルを提案し,計算機シミュレーションを行なった.そして,森林モデルで臨界性が実現される極限として知られているDrossel-Schwabl極限について考察した. 4.有効グラフ上のパーコレーションの問題は,森林動態や伝染病伝播の問題の基礎モデルを作る上で重要である.この問題に対して,Arrowsmith-Essam公式と呼ばれるグラフ展開を拡張することが出来た.それにより,いわゆるフレンドリー・ウォークと呼ばれる相互作用する粒子系の統計力学を構成し,この系は高分子や,多成分流体系の「濡れ転移」のモデルと関連深いことを示した.
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