Project/Area Number |
10874081
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
舟橋 重信 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30022700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲田 康宏 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助手 (60242814)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | EXAFSスペクトル / 温度可変 / 非調和原子間ポテンシャル / 第一遷移金属イオン / 溶媒和構造 / 非水溶媒 / 溶媒交換反応 / 活性化パラメーター / 第一遷移金属(II)イオン |
Research Abstract |
本研究では、NMR法やストップトフロ一法などを用いて決定されている溶液内における金属イオンの溶媒交換反応や配位子置換反応の熱力学的な活性化パラメーターの値に関して、各種溶媒中における金属イオンの溶媒和構造と金属-配位原子間の原子問非調和ポテンシャルをEXAFS法を用いて決定することにより、速度論的データの定量的解釈を行うことを目的とした。本年度は、改良した耐圧温度可変EXAFSセルを用いて、物質構造科学研究所・放射光研究施設のフォトンファクトリーで測定した広範な温度範囲のEXAFSスペクトルを、FEFF理論標準を用いて精密に解析した。具体的には、Fe(II)、Fe(III)、Co(II)、Ni(II)およびZn(II)イオンの水、1,1,3,3-テトラメチル尿素(TMU)およびアセトニトリル(AN)溶液に約100気圧の圧力をかけた状態で、約0℃から約300℃の範囲で温度を変化させてEXAFSスペクトルを測定した。これらを解析し、金属-配位原子間の結合距離、2次キュムラント項であるDebye-Waller因子、および、3次キュムラント項の温度依存性を決定した。これらのパラメーターから、金属-配位原子間のポテンシャル関数をモース型で取り扱ったときのポテンシャルパラメーターを決定した。これらの値は金属イオンの種類によって大きく異なり、また、溶媒によっても著しい差異が認められた。特に、酸素原子で配位する水中に比べ、窒素原子で配位するAN中においては、ポテンシャルの非調和性が高いことが明らかになった。また、TMU中におけるCo(II)-O原子間ポテンシャルが他の酸素配位する溶媒中よりも大きな非調和性を示すことが示されており、配位数の減少した溶媒和環境における会合的反応性をエネルギー論的に説明することができた。
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