Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
金属の薄膜・微粒子の表面に存在する表面プラズモンと外部電磁波との共鳴現象を利用した化学センサーの開発に向け,分子認識機能を備えたナノ光機能界面の構築について検討した.特に,分子インプリンティング法を取り入れ光機能分子の自己組織化単分子膜をAu薄膜上に作成し,分子認識機能を制御した単分子膜の作成を試みた. 光機能分子は,(1)光機能部位(2)分子認識部位(3)吸着部位から成り,標的分子と会合体を形成した際,その化学構造に合わせて分子認識部位の立体構造が変化するように設計した(誘導適合型分子認識).このような会合体を自己組織化単分子膜作成法を用いてAu薄膜上に固定したのち、標的分子を除去することで鋳型に利用した標的分子に選択的なナノ光機能界面が形成できると考えた. 初めに吸着部位のないプロトタイプの光機能分子として,柔軟な骨格に4個のアミド基が点在する分子認識部位を取り入れた発光性ルテニウム錯体1を設計・合成し,構造変化をともなう分子認識機能について評価した.^1H-NMR滴定実験から1は4個のアミド基と同時多点水素結合の形成が可能なジカルボン酸イオンに対してのみ立体変化を引き起こし,会合体を形成することがわかった.また,会合体の形成にともない吸収・発光スペクトルなどルテニウム錯体の光学的特性が著しく変化することを見出した. 次に,1に吸着部位としてSH基を導入し,ジカルボン酸イオン存在下プリズム底面に蒸着されたAu薄膜表面上に自己組織化単分子膜を作成した.表面プラズモン全反射減衰測定実験から,単分子膜の分子認識機能がAu薄膜表面の微細構造の影響を著しく受け,鋳型ジカルボン酸イオンに対する選択性を発現させるには原子レベルで滑らかなAu薄膜を必要とすることがわかった.今後,このような問題の解決に向け,分子インプリンティング法を取り入れた自己組織化単分子膜作成法をAu超微粒子の表面修飾に適用する.
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