Project/Area Number |
10875010
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
表面界面物性
|
Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
吉村 雅満 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40220743)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嶋 薫 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 研究員
上田 一之 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029212)
|
Project Period (FY) |
1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Keywords | トンネル顕微鏡 / 欠陥 / シリコン / 水素 / STM / 表面 / 結晶成長 / 再構成 |
Research Abstract |
本研究では、結晶成長を行う前段階に、結晶成長中と同様の状態を人工的に作り上げることにより、完全な結晶成長を実現することを目的とする。この場合基板表面に欠陥が充分あるので、電子的なバランスが自己組織的に行われ、また欠陥の存在により歪みは緩和されることが予想される。具体的にはSi(100)面に欠陥構造を作製するが、この形成プロセスを電子励起脱離法、昇温脱離法などを用いて明らかにする。次にこの表面上にホモバレントなSi、ヘテロバレントのIII族原子(Gaなど)を吸着させてその吸着サイトや電子構造を走査トンネル顕微鏡・分光法、低速電子回折法、X線光電子分光法等で調べ、通常のSi(100)表面の場合と比較しながらその界面形成メカニズムを原子レベルで理解する。現在までに、欠陥表面のダイナミクスと構造についての研究を精力的に行った。 当初、シリコン上の欠陥表面(Si(100)c(4x4)構造)の作成法として、あらかじめ水素を吸着させこれをアニールすることによりシラン(SiH4)を表面から脱離させ、この時にできるシリコンの表面欠陥をうまく再配列させるという方法を考えていた。しかし500℃付近で長時間シリコン基板を保持することにより、水素を用いることなく、欠陥の再配列したSi(100)c(4x4)構造を形成できることを見いだした。この表面を高温の状態でSTM観察すると、欠陥配列構造と不純物による2xn再配列構造が共存していた。したがって長時間アニールによるニッケル等の不純物の拡散が欠陥配列構造に関与していると考えられる。次にこの共存相を原子レベルで観察することにより、欠陥再配列構造の原子配列が推定できるが、これについては現在解析を行っている。尚、高温において欠陥再配列構造は2xn構造に比べると構造のゆらぎは小さいことも新たに見いだした。
|