Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
放電空間に毎回同一量の粉体を供給するために,粉体を帯電させ静電力によりその供給量を制御し,自由落下により粉体を電極間へ供給する方式を開発した。平板-傾斜型の供給用電極を用いることで,100回以上にわたって同一量の粉体の供給が可能となった。この際,粉体は100μm程度のものを用いた。この粉体供給装置を用い,樹枝状と球状の粉体を直流電圧が印加された放電電極間へ供給し,真夜中での絶縁破壊電圧の低下について検討した。粉体のないときに比べ,球状粉を供給した場合は変化がなかったのに対し,樹枝状粉を供給した場合は50%程度に低下した。これは,樹枝状粉には多くの突起があり電界の集中が起こるためと考えられる。粉体の放電への影響や進展過程について検討するために,真夜中での分光測定を行った。この際,粉体流と放電電流路を制限するために,キャピラリー状のテフロンを用いた。放電光の時間積分,波長分解測定を行ったところ,CuI,CuII,CuIIIの線スペクトルが観測され,粉体はプラズマ中で高電離状態となっていることが確認された。また,放電の進展過程を検討するために電極物質であるタングステン,キャピラリーを形成するフッ素,銅粉体からの発光線スペクトルの時間分解測定を行った。その結果,放電の初期段階では,タングステンを媒質とした絶縁破壊が支配的となり,その後アーク柱が拡散することによりフッ素を気化させ,さらにこの高温プラズマからの熱伝導により粉体の表面が溶融しプラズマ化することが分かった。粉体プラズマにより電極に付着した生成物をSEM写真で観測したところ,100nm以下のサイズの超微粒子が無数に観測された。電流のピーク値やパルス幅,立ち上がり時間などの放電パラメータを制御することにより,任意の超微粒子の生成が可能になる可能性もあり,材料技術などへの応用が期待される。
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