Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
本研究は,シリコンナノ結晶におけるクーロンブロッケード現象を利用したメモリデバイスを実現するための基礎研究を目的とする.実際にシリコンドットを多数有するMOSFETを作製し,ヒステリシス特性をもつメモリデバイス動作を室温で観測することに成功した.また,クーロンブロッケード現象とメモリ特性のばらつきとの関係についても検討を行った.作製したメモリデバイスは,極めて細いMOSFETチャネル上に薄いトンネル酸化膜,多数のシリコンナノ結晶(ドット),厚い酸化膜,およびゲート電極を有している.ゲートに正のパルス電圧を印加すると,チャネル中の電子がトンネル酸化膜を介してシリコンドットに注入されそこに止まるので,MOSFETのしきい値電圧が正の方向にシフトする.一方,ゲートに負の電圧を印加するとドット中の電子はチャネルに逃げ,しきい値電圧は元に戻る.これがメモリ動作(ヒステリシス)の原理である.室温においてメモリ動作を確認した.また,MOSFETのチャネル幅が細くなるほど,しきい値電圧のシフト量は大きくなるが,同時にシフトのばらつきも大きくなることがわかった.これは,シリコンドットの分布のランダムさが原因である.一方,クーロンブロッケードによるシリコンドット中の電子数をシミュレーションにより求め,ドットサイズのばらつきが大きい場合は,ドット中の電子数の制御が困難となることを明らかにした.従って,シリコンドットを有するMOSFETメモリにおいては,ドットの分布およびサイズの制御が極めて重要であることを示した.
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