視覚的認知・意識に関わる脳内プロセスの非侵襲的定量計測
Project/Area Number |
10875081
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Measurement engineering
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 哲生 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (40175336)
|
Project Period (FY) |
1998 – 1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | 意識 / アウェアネス / 視野闘争 / 脳 / 眼球運動 / fMRI / 視運動性眼振 / 事象関連電位 / 脳波 |
Research Abstract |
本研究の目的は視覚的認知や意識の問題を客観的指標となる物理量の計測という立場から自然科学的研究手法で捉え理解することである。そこで注目したのが意識の一階層である視覚的アウェアネス(visual awareness)を定量的に研究することのできる稀少な現象であるとの考えが受け入れられつつある両眼視野闘争過程(左右の眼に個別に与えられる異なる刺激が交互に知覚される過程)である。 本研究では、この視野闘争中の不随意な眼球運動を両眼独立に高精度で測定し、知覚交替に伴う眼球運動変化時刻と被験者の主観に基づくボタン押しの交替時刻に基づく知覚交替時刻との対応関係に関して詳細な検討を行った。知覚運動図形の交替に伴う視運動性眼振(OKN)の緩徐相における眼球運動方向が変化する時刻を抽出した結果、視野融合時と同様、視野闘争時においてもOKNの変化はボタン押し交替より有意に先行する事が判明した。OKN変化に対するボタン押し交替の遅れが視野融合時に比べ視野闘争時は有意に増大した。又、ボタン押しに比べOKN変化の個人差が小さく知覚交替を客観的かつ正確に決定できる事が分かった。 本研究ではさらにこの視野闘争に関連する中枢神経活動をfMRIにより検討した。被験者には知覚交替に応じたボタンの押し分けを指示した。実験は両眼に呈示される刺激の向きが同一(視野融合条件)、縦と横と異なる(視野闘争条件)、同一であるが、直前の視野闘争条件におけるボタンの押し分けにより記録した時間間隔により縦、横を交替させる(再現条件)各27sの3つのブロックから成る。視野闘争、視野融合、再現の各条件間の比較を行った結果、後頭葉のブロードマンの脳地図における18、19野(視覚前野)、頭頂葉の7野、前頭葉の6野において視野闘争に関連すると思われる活動を捉えることができた。
|
Report
(2 results)
Research Products
(12 results)