Project/Area Number |
10875082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Measurement engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
保立 和夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60126159)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | コヒーレンス制御 / ブリルアン散乱 / 光ファイバセンサ / 周波数可変半導体レーザ / 分布型歪センサ |
Research Abstract |
光ファイバ中で生じるブリルアン散乱の周波数シフト量が光ファイバに加わる歪みにより変化する現象を利用して、光ファイバに沿った歪み分布を測定することができる。これまでに開発された分布測定方式は、パルス光を用いて誘導ブリルアン散乱(SBS)を光ファイバ中で発生させ、時間分解測定を行なうことにより分布測定するというものであった。しかしこの方式では、音響波の減衰時間よりも短いパルス光を用いることができないために空間分解能が2m程度以上に制限されてしまう。本研究では、パルス光の代わりに位相変調された連続光を用いてSBSを光ファイバ中で局在発生させることによってこの制限を回避し、センチメートルオーダの空間分解能を実現する手法を提案し、その実験的検証を進めた。 まず、この原理を実証するための実験系を構成した。直接周波数変調特性に優れた3電極構造DFBレーザを光源とし、光波に周波数変調を与えた。また、SBSを発生させるために必要なポンプ・プローブ光間周波数差は、光強度変調により実現している。本実験系により、10cmの空間分解能を達成した。これは、従来値を一桁も凌ぐ世界最高の分解能である。測定対象のファイバ長は3m、周波数分解能は10MHzであった。また、誘導ブリルアン散乱を記述する結合方程式に基づいて測定理論を構築し、理論と実験の良い一致を確認した。本測定方式では、測定されるSBS分布に背景雑音が混入する。この劣化要因を測定後の数値処理によって除去できることを測定理論に基づいて示し、実際に実験結果に対して数値処理を行ってその有効性を実証することにも成功している。さらに、ブリルアンゲインスペクトル(BGS)を測定するためのポンプ光とプローブ光をも半導体レーザの直接周波数変調により発生させる方式も新しく開発した。この方式を用いてBGS測定を行い、従来の方式によるものと良く一致する測定結果が得られることを確かめた。さらに、この方式を用いたBGS分布測定方式も開発し、実験によってその性能を実証した。
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