希土類金属薄膜を用いた光検知式水素ガスセンサーの研究
Project/Area Number |
10875127
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
高田 雅介 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (20107551)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 祐二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60293255)
|
Project Period (FY) |
1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | 水素ガスセンサー / 室温作動型 / 光検知方式 / Pd / Y / 二層薄膜 / Pt担持 / 回復特性 / 触媒作用 |
Research Abstract |
本萌芽的研究では、希土類金属薄膜の光学的性質が水素化に伴って変化する現象を光検知式水素ガスセンサーに応用し、センサーの高感度化および高速化を目指した。これまでの研究において、本申請者は、Pd/Y 二層薄膜を常温常圧下の水素にさらした際に、その透過率が約17倍にまで急激に増加することを見い出していた。その水素検出時における作動速度は大きく、変化量の90%に到達するまでの時間は約8秒以内であった。さらに、雰囲気を水素から空気に戻すとその透過率は減少してある値まで回復し、繰り返し水素化させた場合でもこの現象が高い再現性を有することも明らかとしていた。しかしながら、この水素ガスセンサーは、水素濃度増加時の応答速度に比べて水素濃度減少時の回復速度が小さいという問題点を抱えていた。 この問題を解決するために、Ptの触媒作用に着目し、Pd薄膜の表面にPtを堆積させたセンサー素子のガス検知特性について検討した。その結果、Pd表面に微量のPtを担持させることにより回復速度を向上させることに成功した。乾燥空気中において、Pd/Y薄膜の回復時間は20〜50秒を要していたのに対し、Pt/Pd/Y薄膜では10〜15秒にまで短縮された。回復速度が回復時の雰囲気中酸素濃度の増加とともに向上したことから、回復過程は表面での水の生成反応により律速されていると推察された。この結果を考慮すると、回復速度を向上させるPt担持の効果は、Pd表面上に比べてPt表面上での酸素被覆率が高いことおよび水の生成反応における活性化エネルギーが低いことにより水の生成反応が促進されることに起因していると考えられる。以上の研究から、希土類金属薄膜を用いた光検知式水素ガスセンサーにおいて高感度および高速作動を実現させることに成功した。 さらに、このセンサーにおけるY薄膜が0.1%という低濃度水素の検出後、大気中においてYH_2の状態を保持しており、Pd/Y二層薄腹が水素貯蔵能力のみならず集積能力を有していることを明らかにした。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)