Project/Area Number |
10875166
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業分析化学
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中村 博 北海道大学, 大学院地球環境科学研究科, 教授 (00117194)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早下 隆士 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (70183564)
諸角 達也 北海道大学, 大学院理学研究科, 助手 (50271713)
|
Project Period (FY) |
1998
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | アルカリ金属 / 吸収スペクトル / 錯形成 / クラウンエーテル / 酸解離定数 |
Research Abstract |
均一系で使用できるクラウンエーテル型アルカリ金属指示薬の開発を行った。錯形成部位としてクラウンエーテル、酸解離部位としてニトロフェノール型及びアゾフェノール型色素を持つ化合物を種々合成した。 これらのクラウンエーテル試薬について、アルカリ金属イオンとの錯形成にともなう酸解離定数の変化を測定した。アゾフェノール型色素の場合は、クラウンエーテルに錯形成する事によりアゾ基の電子密度が減少してプロトン化が抑制されることを期待したが、アルカリ金属イオンとクラウンエーテルとの錯形成が弱いため、酸解離定数の変化は見られなかった。 そこで酸解離を起こすフェノール性水酸基と錯形成部位であるクラウンエーテル部位を近づけた試薬を新たに合成して、検討した。その結果、ナトリウムイオンが存在すると、pKaで最大1.0程度小さくなり、酸解離が10倍促進されることがわかった。以前合成したピクリルアミン型のクラウンエーテルが2倍しか促進されなかったのに対して大きな進歩である。これは、構造的にフェノール性水酸基がクラウンエーテルのすぐ上に位置するために、錯形成した金属イオンによって解離が促進されること。また、水酸基のプロトンが金属イオンの錯形成をじゃまして、プロトン化錯体の生成を防止しているためと考えられる。 以上のことから、pHを適当に保てば、アルカリ金属イオンを加えることで吸収スペクトルが変化する試薬となることが示された。
|