Research Abstract |
レーザー励起質量分析法は,マスピーク強度を用いた定量精度が低い.これを解決するため,レーザー光を試料表面に照射した際に生じる発光現象をとらえ,その発光強度によりマスピークを正規化することで定量精度の向上が期待できる.このため,現存のレーザー励起質量分析装置に発光現象をとらえるための集光系,分光系,検出器を組み込み,装置を試作した. 試作した装置を,鉄鋼材料中に数ppmから数十ppm存在する固溶金属,金属酸化物の定量法に適用を検討するため,固溶アルミニウム,アルミナ濃度既知の低炭素アルミキルド鋼を用いて測定を行った.まず,正規化に用いる発光波長を選択するため,マトリックス元素である鉄に起因する種々の発光波長において発光強度を測定した.これらの発光波長のうち,マスピークをその発光強度で正規化した値にばらつきが少なく,かつ正確な濃度を反映するものを求めた. この成果については,1998年9月の第136回日本鉄鋼協会講演大会にて発表し,1999年3月に行われる第137回日本鉄鋼協会講演大会においても発表を予定している.
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