Project/Area Number |
10875170
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
石谷 治 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50272282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 和英 埼玉大学, 資源環境技術総合研究所, 主任研究官
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | レニウム錯体 / 光化学 / 人工Zスキーム / 1電子還元種 / 一電子還元種 |
Research Abstract |
レニウムビピリジン錯体は、光化学的および電気化学的にCO_2をCOへと還元する触媒として知られており、錯体の一電子還元種が重要な中間体であると考えられているが、その反応性は良く分かっていない。今回、[Re(bpy)(CO)_3{P(OEt)_3}](PF_6)(1)および[Re(bpy)(CO)_2{P(OEt)_3}_2](PF_6)(2)の一電子還元種を電解反応により合成し、CO_2およびAr雰囲気下での反応性を検討した。一電子還元した錯体の反応性及びその性質に関する知見を得るため、フローエレクトロリシス法を用いて生成した一電子還元体のFT-IR測定を行った。IRセルには光照射するための光学系を設置し、還元生成物の光反応性についても検討できる。フローエレクトロリシス法を用いた結果、Ar、CO_2雰囲気下における擬一次速度定数はそれぞれ4.0×10^<-4> s^<-1>、6.0×10^<-4> s^<-1>となり、CO_2雰囲気下では反応が加速されることがわかった。CO_2雰囲気下で2^<-・>を放置するとゆっくりCOが生成した。CO生成は約2時間後には完了し、その量は初期の2^<-・>の量、すなわち電解により流した電気量の約2分の1であった。反応終了後の溶液をIRを用いて調べた結果、定量的に2が再生していることが分かった。1^<-・>の場合も、ほぼ同様の結果が得られた。すなわち1^<-・>の初期量の約2分の1のCOが生成し、反応後は1がほとんど再生した。一方、1^<-・>をAr雰囲気下で放置すると分解し、数種の錯体を与えた。以上の結果より、1および2を触媒として用いたCO_2還元反応は、それらの錯体の一電子還元種(M^<-・>)とCO_2の反応を経て進行すると考えられる。生成した中間体(M'-CO_2)の2分子反応、もしくはM^<-・>によるM'-CO_2の還元によりCOが生成することが示唆された。
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