Project/Area Number |
10875189
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子合成
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
手塚 育志 東京工業大学, 工学部, 助教授 (80155457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾池 秀章 東京工業大学, 工学部, 助手 (20282824)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 環状高分子 / イオン集合体 / テレケリクス / 環状オニウム塩 |
Research Abstract |
本研究は、疎水性高分子の末端基として導入した適度な歪みを有する環状オニウム塩のユニークな諸特性を生かし、従来、一般的かつ効率的な合成手法の未開拓であった環状構造を含む高分子群の新規合成反応システムの開発を目的に行われた。ポリテトラヒドロフラン(PTHF)を主鎖成分として、末端にN置換一メチルおよびフェニルピロリジニウム(5員環アンモニウム)塩、あるいはN置換一ジフェニルメチルアゼチジニウム(4員環アンモニウム)塩を導入した。カルボン酸アニオンとの反応を検討したところ、4員環アンモニウム塩では、イオン対を形成すると同時に開環反応が進行することがわかり、効率的かつ簡便な分岐高分子の合成へと展開することができた。一方、5員環アンモニウム塩では、室温で安定にカルボン酸アニオンとイオン対を形成し、60〜100℃程度の加熱処理により、開環反応が進行することがわかった。特にN置換一フェニルピロリジニウム塩は適度な反応性を有し、求核性の低いカルボン酸アニオンとの反応においても定量的な開環反応が進行することがわかった。そこでPTHFの両末端にN置換一フェニルピロリジニウム塩を導入したテレケリクスとテレフタル酸アニオン等の2官能カルボン酸アニオンの反応を検討した結果、対アニオン交換反応によって得られたイオン集合体をTHF等の有機溶媒に希釈して加熱処理を行うことで、選択的かつ効率的に環状高分子が得られることがわかった。高効率での環状高分子の生成は、有機溶媒希釈下でテレケリクスによるイオン集合体がイオン対を保った状態での最小単位数の集合形態を選択的に形成することと一致し、この原理を利用してより広範な環状高分子群の効率的合成を行った。すなわち、4および6官能カルボン酸アニオンとの反応を行い、今までほとんど報告例のない環状構造を2ないし3有する複環状高分子を選択的に合成できることを見出した。
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