置換ポリアセチレンの高気体透過性機構の究明および新規高気体透過性ポリマーの設計と合成
Project/Area Number |
10875192
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子合成
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増田 俊夫 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60026276)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 準弾性中性子散乱 / 置換ポリアセチレン / 気体透過性 / 局所運動性 / 自由体積 / ガラス状ポリマー / 拡散係数 / 溶解度係数 / スピンプローブ法 / ESR |
Research Abstract |
本研究は(i)置換ポリアセチレンの高気体透過性の原因の究明とその透過機構を明らかにすること、(ii)得られる知見に基づき高気体透過性ポリアセチレンを設計するための指針を提唱すること、などを目的とする。以下に本年度の研究成果の要旨を述べる。 1)準弾性中性子散乱法によるポリ(ジフェニルアセチレン)誘導体[ポリ(DPA)]のダイナミックスの測定-10種類以上のポリ(DPA)の気体透過性と高分子の局所運動性との相関関係を準弾性散乱中性子法により調べた。中性子散乱実験は東海村改3号炉の飛行時間型の準弾性散乱分光器AGNESにより室温(25℃)で行なった。測定したすべてのポリ(DPA)においてスペクトルに準弾性散乱成分が観測され、ガラス状態においても局所的には運動していることが明かとなった。観測されたスペクトルをδ-関数とローレンツ関数の和で近似し、動いていない成分(弾性散乱成分)と動いている成分(準弾性散乱成分)に分離し、運動の緩和時間と動いている成分の分率を評価した。その結果、動いている成分の緩和速度(緩和時間の逆数)と分率の積がポリ(DPA)の酸素透過係数と非常によく相関しており、気体の透過性が分子運動と密接に関係していることが明かとなった。 2)ポリ(DPA)膜中の酸素の拡散および溶解度係数の決定-上記ポリ(DPA)のダイナミックスと気体の透過挙動との関係を明らかにするために、これらポリマー中の酸素の拡散係数(D)(25℃)を遅れ時間法を用いて決定した。さらに、これまでに求めた透過係数と拡散係数の商より溶解度係数(S)を算出した。その結果、DとSは並行的に変化することが明らかになった。(1),(2)の結果より、気体の拡散性がポリマーの分子運動と密接に関係していることが明かとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)