Project/Area Number |
10875199
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子構造・物性(含繊維)
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
柴山 充弘 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (00175390)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 開放系、 / イオン架橋性ゲル / ポリビニルアルコール、 / ゾルーゲル転移、 / 動的光散乱、 / 自律運動、 / 膨潤・収縮、 / 体積相転移 / ゲル / 開放系 / 反応拡散 / 膨潤 / コンプレックス / 自励振動 / ポリビニルアルコール / ホウ酸イオン |
Research Abstract |
開放系の科学は化学振動系や自己組織化などの研究として年々盛んになってきている。この"開放系の科学"を高分子系において具現するために、イオン架橋性ゲルを用いて、環境変化によるゲルの膨潤・収縮挙動(協同拡散)とゲル内での低分子(溶媒や低分子イオン)の自己拡散の速度差を利用して化学振動系を高分子系にて実現した。イオン架橋性ゲルとして、化学架橋したポリビニルアルコール(PVA)棒状ゲルを用い、これを一方は架橋能を持つほう酸イオン雰囲気下に置き、他方は蒸留水に接触させることで開放系を実現したところ、ほう酸イオンの拡散とともに、ゲルは膨潤と収縮を繰り返した。この過程をビデオカメラシステムにて正確に測定し、ゲルの協同拡散係数を評価した。一方、動的光散乱により振動系ゲルの拡散係数および散乱強度の時系列測定を行い、微視的観点から協同拡散現象を解析した。さらに、PVA物理架橋ゲルのゾルーゲル転移のダイナミクス、体積相転移の速度論的研究を行うことで、イオン性架橋機構の研究および膨潤・収縮のメカニズムを解明し、ゲルに於ける開放形の実現のための基礎研究を行った。この膨潤・油収縮運動達成の鍵を握るのは、ゲル中での低分子イオンの拡散(自己拡散)とゲルの膨潤・収縮の速度(協同拡散律速)の比であるが、本研究により両者が性格に評価できたと考えられる。本研究の成果は開放系において柔軟にかつ能動的に応答し、自律運動や自己組織化機能をもついわばソフトインテリジェントマテリアルとでも呼ぶべき次世代材料の開発のための基礎研究として十分意義のあるものと考えられる。
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