導電転移温度を有する高分子材料の開発とその物性発現の根拠についての萌芽的研究
Project/Area Number |
10875200
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子構造・物性(含繊維)
|
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
松生 勝 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (80091841)
|
Project Period (FY) |
1998 – 1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Keywords | 超高分子量ポリエチレン / 低分子量ポリエチレン / カーボンブラック / 導電転移温度 / 混合比 / PTC効果 / 電気伝導率 / 体積膨張 / 導電移転温度 / 面状発熱体 / 電気抵抗-温度 / ポリエチレン / 温度依存性 |
Research Abstract |
超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)と低分子量ポリエチレン(LMWPE)をカーボンブラックと同時にデカリン中に混入し、150℃で約30分攪拌した。これをアルミ枠に流し込んで急冷し、ポリエチレンゲル中にカーボンブラックを混入させ、乾燥してフイルムを作成した。(UHMWPE/LMWPE=1/9)この乾燥ゲルを約150℃で熱処理し架橋を進行させた。未延伸および延伸試料について電気伝導度を温度の関数として測定し、電気伝導度が急激に低下する導電転移温度を求めた。この方法で作成したポリエチレンとカーボンブラックの混合比が13%の試料については、PTC効果が200℃付近で生じ、通常報告されている温度120-130℃より70-80℃高かった。この原因は、カーボンブラックは主にLMWPE中に分散され、そのドメインをフィブリル状のUHMWPEが取り囲むように存在するため、L|MWPEの流動が抑制されるためであることが判明した。銀粒子をポリエチレンに混入すると、銀粒子そのものは高価であるが、電気伝導度はカーボンブラックよりはるかによいので、電気伝導率を温度の関数として測定すると、ポリエチレンの体積膨張に伴う急激な電気伝導度の低下が観察された。このため、より優れたPTC効果が観測された。シリコンゴムに銅やニッケル粉を加えて感圧導電ゴムを作成したが、電転移点以上での圧縮による電気伝導度の急激上昇は顕著でなかった。ポリビニアルコールゲル中に導電性カーボンブラックを分散させ、これを液体窒素中に侵漬し、これを常温にて放置し、さらに液体窒素中で冷凍し、再び常温に放置した。この操作を繰り返しながら乾燥させた。得られた素材は極めて硬く、対磨耗性もよかったが、カーボンブラックの分散性はポリエチレンほど良好ではなかった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)