Project/Area Number |
10875201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Aerospace engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小紫 公也 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (90242825)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | Transition / Turbulence / Hypersonic Flows |
Research Abstract |
宇宙科学研究所が2002年に打ち上げを予定しているMUSES-C小惑星サンプル回収機は、大気圏再突入時に、熱防御のために設けられたアブレータの表面で、流れが乱流に遷移し、熱伝達率が2から3倍に上昇して、熱防御に失敗する恐れがある。そのため、研究代表者はこれまでに構築したCFDコード(レイノルズ平均ナビエストークス方程式+K-Epsiron乱流方程式)を用いて、実際の再突入条件で乱流遷移の可能性に関して調査を行った。その結果、アブレーターからのアブレーションガス吹き出し率が100g/s/m2以下であれば、乱流遷移は起こらないという結論が得られた。またミネソタ大学のGrahm Candler教授らのグループの乱流直接シミュレーション研究の結果から、壁面乱流遷移で重要な境界層内での化学反応と擾乱増幅率の関係は、その場所で支配的な化学反応が再結合発熱反応であり、温度の上昇は再結合速度の減少をもたらすため、温度擾乱の増幅率が減少し、乱流遷移を遅らせる方向に働くのではないかという示唆を得た。この傾向は、カリフォルニア工科大学で行われた高温衝撃風洞実験の結果にも一致する。これら3つの解析・実験結果を総合すると、MUSES-Cの熱防御アブレーターは、アブレーション率を100g/s/m2以上に設計しない限り、乱流遷移の心配はないとの結論を得ることができた。この結論は、平成12年度に宇宙科学研究所で計算されている再突入機打ち込み試験で確認することができるものと期待されている。
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