Project/Area Number |
10877014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邉 建彦 東北大学, 医学部, 教授 (70028356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 映子 東北大学, 医学部, 教務職員
大津 浩 東北大学, 医学部, 講師 (60250742)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ヒスタミン / ヒスチジン脱炭酸酵素 / ノックアウトマウス / 血液脳関門 / ヒスタミンの吸収 |
Research Abstract |
ヒスタミンの合成酵素であるヒスチジン脱炭酸酵素(HDC)ノックアウトマウス作成し、野生型(+/+)、ノックアウト(-/-)マウスの各臓器、特に、胃、脳のHDC活性とヒスタミン含量を測定した。+/+マウスのHDC活性は、胃、脳では、それぞれ、1.410±0.042,0.291±0.199pmol/min/mg proteinであり、-/-マウスでは、それぞれ、0.019±0.016,0.022+0.015と予想通り測定限界までに減少していた。一方、ヒスタミン含量は、+/+マウスの胃、脳では、それぞれ、117,000±49,000、240±88pmol/g wet weightであったが、-/-マウスでは、それぞれ、500±100、37±11で、それぞれ、0.4、15%であった。即ち、特に、脳ではHDCは検出限界以下であるにかかわらず、ヒスタミンは、15%までしか減少していなかった。従って、このヒスタミンの由来として、次の3つの可能性が考えられる。(1)芳香族アミノ酸脱炭酸酵素によってL-ヒスチジンの脱炭酸反応が触媒される。(2)新規のヒスタミン合成経路が存在する。(3)ヒスタミンが腸管から吸収される。上記の内、(3)の可能性を検討した。市販のマウス餌(日本農産、ラボMRブリーダー)のヒスタミン含量は、79.5ng/gであったので、ヒスタミン量を低下させた餌(#3,1.45ng/g)を調製した。この#3の餌を5日間投与すると、-/-マウスの脳のヒスタミン含量は、普通食投与マウスのそれの78%に低下していた。この餌に15mg/gのヒスタミンを添加したものを投与したところ、ヒスタミン含量は、約3倍になっていた。即ち、ヒスタミンが、腸管から吸収され、視床下部、最終野など血液脳関門の疎なところから入るものと思われる。現在、脳を潅流して血液成分を除き、脳の各部位におけるヒスタミン量を検討中である。
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