単一分子によるタンパクと生体膜の結合解析:膜骨格タンパクと赤血球膜をモデルとして
Project/Area Number |
10877022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
高桑 雄一 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (40113740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 栄子 東京女子医大, 看護学部, 講師 (50119939)
金城 政孝 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (70177971)
萬野 純恵 東京女子医大, 医学部, 講師 (10101205)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 4.1タンパク / PSリポソーム / 自己相関蛍光測定法(FCS) / 単一タンパク分子 / Ca^<2+>-Calmodulin / リン酸化 / phospholipase / 自己蛍光相関蛍光法 / 4.1タンパク質 / 赤血球 / ホスファチジルセリン(PS) / バンド3 / 反転膜小胞 |
Research Abstract |
これまで、4.1タンパクとPSリポソームを例に自己相関蛍光測定法(FCS)を用いて単一タンパク分子の「ゆらぎ」を測定することにより、タンパクと膜脂質の相互作用を解析することができることを初めて示した。本研究では、FCSを用いてこれらの相互作用に関わる調節因子、化学修飾の効果について検討し、従来の生化学的手法を用いた結果と比較した。 実際には、rhodamine標識精製4.1タンパク(またはその30kDaドメイン)と人工脂質膜(PSリポソーム)または生体膜(赤血球反転小胞膜、肥満細胞顆粒膜)の結合におけるCa^<2+>-calmodulinの4.1タンパクへの結合、4.1タンパクのリン酸化、リポソームのphospholipase(PLA2など)処理の効果について解析した。 1)Ca^<2+>-calmodulinの効果:4.1タンパクの「ゆらぎ」の拡散係数は分子量の大きな粒子(人工脂質膜、生体膜)に結合することで増大した。Ca^<2+>-calmodulinの添加により生体膜との結合は低下したが(拡散係数の低下)、人工脂質膜との結合は変わらなかった。また、予めCa^<2+>-calmodulinを結合させた4.1タンパクは生体膜に結合せず、人工脂質膜には結合した。これらの結果は、4.1タンパクと生体膜貫通タンパクとの結合がCa^<2+>-calmodulinにより抑制される従来の生化学的実験結果と合致した。 2)phospholipase処理の効果:PSリポソームをPLA2処理することにより、一旦結合した4.1タンパクは遊離した。(拡散係数の低下)。遊離した4.1タンパクは脂肪酸を結合しており、pI、CDスペクトルの大きな変化から、構造変化が示された。 3)リン酸化の効果:PKCによりリン酸化した4.1タンパクは、生体膜に結合せず、人工脂質膜には結合した(拡散係数の増大)。 FCSによって得られる単一分子の「ゆらぎ」の情報から、タンパクと膜脂質および膜貫通タンパクとの相互作用、それらの調節について解析できることが4.1タンパクを例に示された。これらの結果に基づき、ひとつの細胞内での4.1タンパクの動態解析への応用を今後試みる予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)