Project/Area Number |
10877029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
野本 実 産業医科大学, 医学部, 講師 (00164749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛西 宏 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (40152615)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 8-ヒドロキシグアニン / 腎化学発癌 / 鉄・ニトリロ三酢酸 / Tsc 2遺伝子 / Pkd 1遺伝子 / Nth 1遺伝子 / 核移行シグナル / ミトコンドリア移行シグナル / 8-水酸化グアニン / 8-hydroxyguanine / Ferric nitrilotriacetate / Tsc 2 gene / Pkd 1 gene / Nth 1 gene / Tuberous scierosis |
Research Abstract |
8-ヒドロキシグアニン(以下8-OH Gua)の生成を誘起し、腎化学発癌を引き起こす「鉄・ニトリロ三酢酸」を投与したラット腎臓ゲノムDNAを用いて、癌抑制遺伝子の候補とされているTsc2遺伝子や、その前後にclusterして存在している損傷塩基修復酵素遺伝子(Nth 1)及び嚢胞腎の原因遺伝子(Pkd 1)を対象として、8-OH Guaの生成を解析し、遺伝子塩基変異と8-OH Guaとの相関を明らかにすることを目的としている。 Tsc 2遺伝子及びPkd 1遺伝子では、遺伝病患者の家系解析や腎化学発癌実験動物の解析から遺伝子変異が高頻度に起こっていることが明らかになっている、両遺伝子の3'-側の遺伝子後半部分に集中的に8-OH Guaが生成していたことは、平成10年度に既に報告した。今年度は、チミン・グリコールを修復する酵素Nth 1の遺伝子について、8-OH Guaの生成を解析したが、結果を記述する前に、この酵素の蛋白構造の概要を説明したい。本酵素の大腸菌ホモログは、約210アミノ酸からなり、これに相同な配列は哺乳類Nth 1酵素蛋白質にも存在するが、哺乳類Nth 1ではN-末端側にさらに約90アミノ酸からなる新規なドメインが存在する。 酵素の活性中心を含む上記の210アミノ酸部分に相当する遺伝子領域では、8-OH Guaの生成レベルは低いのに対し、N-端ドメインに相当する領域では8-OH Guaの生成が高いレベルで集中的に観察された。このN-端ドメインには、核移行及びミトコンドリア移行シグナル、塩基除去修複合体を構成する他の分子との会合部位などが想定され、このドメインの塩基変異は「挙動の異常な」蛋白質産物の生成が予想され、発癌との関連や8-OH Guaの集中的生成の分子機構解明等を念頭において、さらに研究を発展させたいと考えている。
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