Project/Area Number |
10877041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐谷 秀行 熊本大学, 医学部, 教授 (80264282)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | E-カドヘリン / CD44 / メタロプロテアーゼ / β-カテニン / カルシウム / 細胞外ドメイン / 浸潤 / カルシウムイオノフォア |
Research Abstract |
膵癌、グリオーマ、メラノーマなどの悪性腫瘍の予後は、診断及び治療技術の向上にもかかわらず依然として向上せず、その主たる原因は細胞の増殖能のみならず強い浸潤能あるいは転移能にあると考えられる。つまり浸潤能を正確に規定できる因子を見いだすことができれば、予後判定や治療方針決定のためのマーカーとしてばかりでなく、治療の標的として用いることが可能となる。細胞膜上に発現されている接着分子は細胞の浸潤能や転移能と密接に関連することが知られている。私達はヒアルロン酸結合型細胞接着分子であるCD44が、細胞膜貫通部の直上の細胞外ドメイン(ストーク部)で切断され、この切断が未知のメタロプロテアーゼによって行われていることを見いだした。この所見から、細胞間接着を司るE-カドヘリンにも同様の切断が生じているという仮説を立て、本研究を行った。 まず私達は、E-カドヘリンが、CD44同様に細胞膜貫通部の直上の細胞外ドメイン(ストーク部)で切断されることを確認し、この切断が膜型のメタロプロテアーゼによって行われていることを見いだした。そして、この切断はカルシウムイオノフォアの刺激によって増強することがわかった。また、切断後、細胞内ドメインは速やかに分解をうけ、それによって細胞内ドメインに結合して存在するβ-カテニンは、細胞膜直下から細胞質内へ移動する所見が見られた。つまり、E-カドヘリンの切断はβ-カテニンの細胞膜からの遊離を引き起こし、細胞間接着が解除されたときに増殖が再開する機構に寄与している可能性が考えられる。
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