始原菌の藍色細菌生物時計遺伝子KaiCホモローグの機能
Project/Area Number |
10877047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石浦 正寛 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20132730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 孝男 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10124223)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 始原菌 / KaiC / 生物時計遺伝子 / シアノバクテリア / タンパク質間相互作用 / KaiA / KaiB |
Research Abstract |
我々は、藍色細菌(シアノバクテリア)の生物時計の中核を担う時計遺伝子クラスターkaiABCのクローニングに成功し、kaiBとkaiCのホモログが始原菌archaeaのゲノムに広く存在することを明らかにしている(Ishiura et al.,1998.Science281:1519-1523)。始原菌の生息する自然環境は塩湖や深海底の熱水の吹き出し口などの通常の生物が生存できない極端な条件が多く、生物時計の存在意義は考えにくい。はたして、これらの鳥ホモログが時計遺伝子として機能しているのか、あるいは時計とは直接関係のない生理機能を担っているのかは非常に興味深い問題である。 本研究では、Methanococcusjannasjannaschii由来のkaiC遺伝子を用いて始原菌のKaiCタンパク質の機能を解析した。藍色細菌のKai時計タンパク質、KaiA.KaiB.KaiC、は相互に結合する能力があり、細胞内ではKaiA-KaiB-KaiC複合体を形成して機能していると考えられる(Iwasaki et al.,1999.EW30.J.,印刷中)。そこで先ず、MethanococcusのKaiCタンパク質(My-KaiC)の藍色細菌のKaiタンパク質への結合能力の有無を調べた。My-KaiCは、試験管内で合成し、RIで標識した。この標識タンパク質を用いて、藍色細菌のKaiA、KaiB、KaiCとの結合を試験管内で調べたところ、藍色細菌のKaiタンパク質問の結合に比べてその結合能力は弱いけれども、My-KaiCは藍色細菌のKaiタンパク質と結合することが明らかになった。KaiCを藍色細菌で過剰発現させると、時計の発振が消失することが分かっている(Ishiura et al.,1998.Science281;1519-1523)。そこで、My-kaiC遺伝子を藍色細菌で過剰発現させてみた。ところが時計の発振はほとんど影響を受けなかった。これは、My-KaiCには、藍色細菌のKaiタンパク質と相互作用する能力はあるが、藍色細菌の細胞内での生理的なKaiA-KaiB-KaiC相互作用を撹乱するほどの結合能はないと考えられる。 今後は、他の始原菌のKaiCタンパク質でも同様の解析を行うとともに、藍色細菌のKaiCで見つかっている他の活性に関しても検討したい。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)