海洋性ビブリオ菌ナトリウムイオン特異的べん毛モータータンパク質の解析
Project/Area Number |
10877048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
本間 道夫 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50209342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 典子 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50228160)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | イオンチャネル / エネルギー変換 / ビブリオ菌 / べん毛 / モーター / ナトリウム駆動力 / イオンチャンネル |
Research Abstract |
海洋性ビブリオ菌は極毛(Pof)と側毛(Laf)の二種類の鞭毛を環境に応じて産生する。液体培地中などの低粘性環境下では一本〜数本の極毛を発現し、寒天培地上などで極毛の運動が阻害されると、極毛に加えて高粘性でも運動できるように多数の側毛を発現する。そして、海洋性ビブリオ菌の極べん毛は、外膜から連なる鞘膜に被われた特徴的な形態を持つ。極毛の繊維は主に二種類のフラジェリン(PF47&PF45)から構成され、鞘膜には少なくとも二種類の膜タンパク質(PF60&PF18)が含まれている。また、長極べん毛変異株のべん毛構成タンパク質を調べたところ、フラジェリンの量比が変化し、鞘膜にPF60とPF18が多量に含まれていることが分かっている。今回、長極べん毛株よりPF60タンパク質を精製し、そのペプチド断片のアミノ酸配列を決定した。これをもとに、PF60をコードする遺伝子のクローニングに成功した。調製したべん毛分画をTriton-X100により処理し、超遠心で上清を回収し、PF60とPF18タンパク質を分画した。これらのN末端アミノ酸配列の決定を試みたが、N末端がブロックされているらしく成功しなかった。そこで、PF60タンパク質についてペプチダーゼによる分解でペプチド断片を分離し、3つについてN末端アミノ酸配列を決定した。これらの配列よりPCRプライマーを作成して反応を行ったところ、230bpの断片が増幅された。この断片クローン化して塩基配列を決定し、PF60の構造遺伝子由来であることを確認した。次に、この断片をプローブとして、ビブリオ染色体DNAライブラリーを導入した大腸菌に対するコロニーハイブリダイゼーションを行った。その結果、PF60をコードする遺伝子のクローン化に成功した。PF60遺伝子は、491アミノ酸よりなる推定分子量54KDaのタンパク質をコードし、N末端には、分泌に必要なシグナル配列がついていた。データベース検索の結果、有意なホモロジーのあるタンパク質は見つからなかった。一方、べん毛モーター遺伝子の制御を行っていると思われる遺伝子の変異体では、PF60の発現が行われなかった。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)