劣性疾患の責任遺伝子は中高年ヘテロ個体に健康リスク要因となるか?
Project/Area Number |
10877063
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hygiene
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
小泉 昭夫 秋田大学, 医学部, 教授 (50124574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 潤一 秋田大学, 医学部, 助手 (90302265)
嘉陽 毅 秋田大学, 医学部, 講師 (40272033)
和田 安彦 秋田大学, 医学部, 助教授 (10261653)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 全身性カルニチン欠乏症 / カルニチン / カルニチン輸送担体 / OCTN2 / 遺伝疫学 / ヘテロ保用者 / CDSD Lows / 健康リスク |
Research Abstract |
我々は、平成10年度の科学研究費補助をうけ、劣性疾患の責任遺伝子が中高年のへテロキャリアの健康リスクを増加させるかどうか検討をおこなった。 本研究では、Wolflam syndrome(WSF)(主要症侯:糖尿病、視神経萎縮、難聴、尿崩症、神経因性膀胱)、Systemic carnitine deficiency(SCD)(主要症侯:心肥大、脳神経症状、筋力低下、脂肪肝、突然死)の2劣性疾患をもとに検討した。 Wolflam syndrome(WSF)(主要症侯:糖尿病、視神経萎縮、難聴、尿崩症、神経因性膀胱)では、詳細な家系調査を行い、本疾患の原因遺伝子をヘテロで持つ個体については、加齢とともに難聴および糖尿病のリスクが高まることを見い出した。 特に前者は、高頻度にヘテロ保因者に認められ特異的な聴力損出パターン(低音域での損出と会話域での温存、高音域での損出)を示し、老人性難聴と明確に鑑別された。 また、SCDについては、連鎖解析を行い、遺伝子の存在領域の確定とそれを基にした原因遺伝子の同定を行った。 さらにその結果をもとに家系に於ける遺伝子異常の同定を行った。また、家系および一般人口におけるヘテロ保因者の検出し、健康リスクについて検討した。その結果、SCDでは加齢にともない心肥大のリスクが著しく高くなることが判明した。さらに、SCDのへテロ保因者では、出産時に妊娠中毒症に罹患しやすいことも判明した。 これらの観察により、多くの遺伝性疾患におけるヘテロ保因者は、老化過程で生理的予備能の低下した場合、ホモ個体が若年で示す症状の一部を発症すると考えるに至った。さらに、これら症患のへテロ保因者の頻度は予想以上に高く、決して珍しいものではなく、一般人口における高齢者の医療を考える場合、無視しえない予防医学上の重要課題であると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)