Project/Area Number |
10877093
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
片倉 隆 北里大学, 医学部, 助手 (70095503)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ビデオ増感顕微鏡 / 胃粘膜 / 内分泌細胞 / 開口放出 / ヒスタミン分泌 / ECL細胞 / アセチルコリン / 細胞内信号伝達経路 |
Research Abstract |
胃酸分泌調節に関与する胃の内分泌系研究にビデオ増感顕微鏡システムを初めて適用し、マウス胃体部粘膜組織の内分泌細胞からの開口放出現象を視覚化することに成功した。 筋層を剥離した粘膜標本を、粘膜下層側から観察することにより、胃粘膜内分泌細胞の開口放出をリアルタイムで観察・記録することが出来たので、ガストリン、アセチルコリン及びその受容体特異的アゴニストを投与し、開口放出頻度促進作用の機序を検討した。さらに、細胞内調節機序を探るため、Forskolin、dbcAMPを投与し、開口放出の推移を記録した。 画像解析の結果、この開口放出の頻度はアセチルコリンやそのニコチン受容体、ムスカリン受容体両アゴニストによってただちに増加(50%〜500%増、15分以内)すること、また、ガストリンによって比較的緩徐に持続性に増加(50%〜250%増、30分以上)することが判明した。実験に用いた細胞の約3割がアセチルコリンに対して反応し、ガストリンに対しては約8割の細胞が反応した。さらに、Forskolin及びdbcAMP投与による開口放出の頻度は2〜4分の潜時を経て有意に増加した。 我々が観察した分泌現象の特徴像は、開口放出が、1)胃体部粘膜組織で起こる、2)血管側に向かって、あるいは粘膜下層側に向かって起る、3)アセチルコリンやガストリンによって促進されることを示した。また、これらの薬物に反応した細胞の分布は、抗ヒスタミン抗体による免疫染色像とほぼ一致することから、我々が開口放出を観察した細胞はECL細胞であり、小胞の内容物はヒスタミンと推定した。さらに、Forskolin及びdbcAMP投与により開口放出頻度が増加したことから、アセチルコリン及びその特異的アゴニストによる分泌細胞からの開口放出促進反応は、細胞内cAMP/A-Kinase伝達経路を介して促進されることが強く示唆された。
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