Research Abstract |
1.パッチクランプ法を用いた検討 現在,ラットおよびウサギ脳のスライス切片を作成し,海馬のCA1領域からneuronを単離し,その電気生理学的性質を検討中である。特に心臓メモリーに関与していると考えられる化学伝達物質に対する反応性を重点的に検討している。 2.生体位心を用いた検討 生体位心の電気現象(心電図および単相性活動電位)および血行動態(動脈圧および左室内圧)をモニタリングしながら,中枢神経を電気的および薬理的に刺激する方法を確立した。すなわち家兎の開頭,脳定位固定を電気生理学検査時に併せて行い,種々の部位から電気刺激を加え,心臓電気現象および血行動態に与える効果を検討している。また,心臓メモリーに関与していると考えられる化学伝達物質の脳室内投与が可能となったため,現在これらの薬剤の脳室内投与の効果を検討中である。さらに,これらの方法によって中枢神経を刺激した動物の,心臓のイオンチャネルおよびその情報伝達系に関与する蛋白の遺伝子レベルでの変化を,ノーザンブロット法により定量評価している。 以上,1.2.の検討より,心臓メモリーと中枢神経の関連が明らかになりつつある。
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