メラニン生成酵素遺伝子異変による未知の色素異常症の発見とその病態解明
Project/Area Number |
10877134
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dermatology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
安立 あゆみ (1999) 名古屋大学, 医学部, 助教授 (00151069)
小野 博紀 (1998) 名古屋大学, 医学部, 教授 (50224275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮村 佳典 名古屋大学, 医学部, 助手 (50272034)
岩井 昭樹 名古屋大学, 医学部, 助手 (10311713)
富田 靖 名古屋大学, 医学部, 教授 (70108512)
安立 あゆみ 名古屋大学, 医学部, 講師 (00151069)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | チロジナーゼ / 黄色変異型眼皮膚白皮症 / 遺伝性疾患 / 白皮症 / 色素異常症 |
Research Abstract |
チロジナーゼ陰性型眼皮膚白皮症は、劣性遺伝性疾患で、メラニン生成の律速酵素であるチロジナーゼの遺伝子変異により発症する。メラニン生成が全く起こらないため、全身の皮膚、毛髪、眼球が白色を呈する。一方、黄色変異型眼皮膚白皮症は、出生時には全身白色、白髪であるが、成長に伴い皮膚はやや黄色化し、頭髪は金髪から更に褐色へと変化する。チロジナーゼ活性は弱いながらも検出されるため、以前ははチロジナーゼ陽性型白皮症に分類され、チロジナーゼ遺伝子以外の遺伝子変異により発症すると考えられていた。今回検索した症例は、出生時には全身白色、頭髪は金髪であるが、成長に伴い皮膚は両親や兄弟の皮膚よりは色白という程度、生後9ヶ月時には頭髪は黒褐色にまで変化し、蒙古斑も認められ、とても白皮症には見えない子供である。この子供のチロジナーゼ遺伝子を検索したところ、(1)+ C310と(2)イントロン2の3'末端の2番目のtがaに変換していることが明らかになった。前者(1)の変異はすでにチロジナーゼ陰性型眼皮膚白皮症の病因となる変異として1989年に我々が報告しており、この変異によりチロジナーゼ活性は完全に失われる。この子供ではメラニン生成が起こっていることから、(2)の変異はチロジナーゼ活性の低下をもたらすものの、完全には喪失させる変異ではないと判断される。黄色変異型に対して、黒褐色変異型とでも呼べる新しい表現型のチロジナーゼ遺伝子変異による眼皮膚白皮症(チロジナーゼ関連型眼皮膚白皮症)を、今回の研究により見い出した。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)