ヘミデスモソームの膜タンパク質BP180の分子病因学的研究
Project/Area Number |
10877135
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dermatology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
尾張部 克志 名古屋大学, 情報文化学部, 助教授 (90109257)
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Project Period (FY) |
1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1998)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ヘミデスモソーム / 類天疱瘡抗原 / 細胞接着 |
Research Abstract |
本研究は細胞・基質間接着装置へミデスモソームに存在する膜タンパク質BP180分子の切断断片の生化学的、免疫化学的性質を調べ、線状IgA水庖症の主要抗原との関係を明らかにすること、さらにBP180の切断と抗原性の関係を解析することを目的に行った。具体的には次のような成果を得た。 1 培養角質細胞では一部のBP180分子は細胞膜近くで切断され、分子の細胞外部分が120kDの断片として培養液中に放出されてくるので、この培養上清画分からモノローナル抗体を用いたアフィニティー力ラム法で120kDのBP180分子の細胞外断片を精製した。 2 120kD断片は条件により、100kD断片となるのでBP180の異なる部位に対するエピトープをもつ数種類のモノクローナル抗体を用いて、120kDと100kD断片の関係を解析し、100kD断片は120kD断片のC端側が切断されて生じることを明らかにした。 3 120kDと100kD断片をそれぞれ精製し、低角度回転蒸着法で両分子の形態を直接観察し、その解析から生化学的結果と一致することを確認した。 4 単離した120kDおよび100kD断片と線状IgA水疱症患者血清の反応性を免疫ブロット法で調べた結果、これらの断片は線状IgA水疱症の抗原であると同定した。 5 線状IgA水疱症患者血清中の自己抗体と類似の性質を示すモノクローナル抗体の作製に成功した。この抗体は120kDおよび100kD断片とのみ反応し、BP180分子とは反応しなかった。このことから、BP180分子の切断により、新たな抗原性が出現することが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)