Project/Area Number |
10877214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
滝 和郎 三重大学, 医学部, 教授 (70144368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長峰 隆 京都大学, 医学部・医学研究科, 助手 (10231490)
池田 昭夫 京都大学, 医学部・医学研究科, 助手 (90212761)
松島 聡 三重大学, 医学部・附属病院, 助手 (50252367)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | てんかん / 脳波 / 側頭葉 / 血管内外科 |
Research Abstract |
てんかん外科の領域において、侵襲的検査を追加してより安全確実に焦点切除を行う試みは数多くなされてきている。しかし、より非侵襲的に焦点検索を行い、てんかん性活動の空間分布や時間的変化を捉えようとする総合的な研究はない。そこで、近年脳神経外科領域の一治療法として確立している血管内手術手技を応用して、血管内脳波の解析を行った。 対象は、てんかん手術の適応決定のための非侵襲的検査(頭皮上脳波、長時間脳波ビデオモニター、CT、MRI、SPECT、FDG-PET等)を受けた難治性側頭葉てんかん患者11例で、側頭葉内側面のてんかん性活動を詳細に分析する目的で海綿静脈洞内及び上錐体静脈洞内留置電極による脳波記録を行った。1例で安静が保てずに記録中止となったが、残りの10例では両側海綿静脈洞内に3-40時間電極を留置し、全例で発作間欠期てんかん性放電を記録できた。また、3例において発作時脳波を記録できた。これらのてんかん性放電は同時記録された頭皮上脳波に先だって記録された。以上の静脈洞内脳波の結果をもとに、3例においては外科治療を選択しなかった。最終的に外科的治療を受けたのは11例中8例であった。このように本法によって手術適応を検討する上で有用な情報を得ることができた。 以上の結果から、海綿静脈洞内及び上錐体静脈洞内留置電極による脳波記録は、従来の侵襲的検査に比べより簡便に側頭葉内側部のてんかん性放電を良好に検出できることが明らかになった。また、この手技では血管内操作のみで脳実質に侵襲することなく脳波を記録できる。有用性、信頼性、安全性が高い本法は、今後てんかん外科における新たな検査法として期待される。
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