運動反応時間を用いた尿道括約筋の不随意運動と随意運動の鑑別
Project/Area Number |
10877247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Urology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浪間 孝重 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (70282069)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 運動反応時間 / 仙髄反射活性 / 尿道括約筋 / 排尿筋括約筋協調不全 / 無抑制括約筋弛緩 / 随意運動 |
Research Abstract |
本研究は、尿道括約筋機能の新しい評価法として、運動反応時間を用い尿道括約筋の病的な不随意収縮と正常な随意収縮のより客観的な鑑別法の確立を目的としたものである。しかし、今回の研究の過程で、無抑制括約筋弛緩(UISR)の問題に直面した。UISRは、排尿筋括約筋協調不全のひとつの病態と考えられるが、筋電図活動が消失するために、運動反応時間の手法が利用できない。そのため、平成11年度からは、本研究の方法論を運動反応時間から仙髄反射活性測定(BCR-EP)に変更するに至ったが、以下の研究実績が得られ、その成果を公表することができた。 対象と方法:正常男性17例と、UISR伴う神経因性膀胱男性3例を対象とした。陰茎背神経を電気刺激し、尿道周囲横紋筋から導出したBCR-EPを、正常症例では膀胱空虚時と随意排尿時に、UISR例ではUISRによる尿失禁時と排尿企図下の尿排出時を比較検討した。結果:正常全例で膀胱空虚時にBCR-EPを認めたが、随意排尿時には17例中16例ではBCR-EPを検出できなかった。UISR時では、明瞭なBCR-EPが存在し、膀胱空虚時との振幅比はそれぞれ0.78、0.79、0.84であった。排尿企図下では3例中2例でBCR-EPが残存するものの振幅比は0.15、0.56、1例では明瞭なBCR-EPを認めなかった。結語:正常症例では排尿時にはBCR-EPは相対的に抑制されたが、UISR例では抑制は不完全で、排尿企図下のBCR-EPはUISR時に比し明らかに抑制された。排尿時のBCR-EPにより、病的括約筋弛緩と随意排尿の客観的鑑別の可能性が示唆された。 以上から、尿道括約筋の病的な不随意運動と正常な随意運動の客観的鑑別法の手がかりが得られたと考えられ、方法論の変更をやむなく行ったが、当初の目的は達成された。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)