遺伝子導入による頭頚部癌細胞の放射線感受性増強効果の研究
Project/Area Number |
10877265
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平田 思 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (60263696)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ATM遺伝子 / 遺伝子導入 / 頭頚部癌 / 放射線感受性 / 薬剤耐性因子 |
Research Abstract |
頭頚部癌の進行例や再発例では放射線治療や化学療法に抵抗性のものが多く、根治的手術不能例では予後不良例が多い。また頭頚部は呼吸、咀嚼、嚥下、発声などの機能に関与する部位であり、治療を進めるにあたり患者のQOLについても考慮する必要がある。ATM遺伝子のleucine zipper motifを含む領域は、腫瘍細胞株において放射線照射後のS期のチェックポイントを欠損させ、放射線感受性の増強、染色体の破損を引き起こすことが解っている。本研究ではleucine zipper motifを含むATM遺伝子を癌細胞株(IMC2)に導入し、dominant negative効果によりシグナル伝達経路を遮断し放射線に対する感受性増強効果が得られた。また、薬剤耐性に関連する因子として、MDR1、MRP、LRP,cMOAT、topoisomeraseIIα、β遺伝子の発現をRT-PCR法を用いて頭頚部扁平上皮癌組織と正常粘膜組織において検討し、topoisomeraseIIα遺伝子の発現が癌組織において高く、特に頚部リンパ節転移組織で有意に高いことを明らかにした。一方MDR1、MRP、LRPは癌細胞と正常粘膜組織で発現に差はなかった。さらにこれらの遺伝子の発現は放射線照射の既往や、プラチナ製剤や5-FUなどの暴露による差はみられなかった。用いた検体は当科で加療を行った頭頚部癌患者より得られた組織で、組織採取時に厳重なインフォームドコンセントが得られたものに限った。頭頚部癌の臨床材料における上記の因子の遺伝子レベルでの検討はほとんどなく、治療に直接結びつく点で極めて有意義と思われた。今後は放射線感受性や薬剤耐性、薬剤感受性について個々の組織の特性を知ると同時に、あらゆるタイプの組織に感受性増強効果が得られるような因子の検討をさらに行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)