Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Research Abstract |
1,口腔内の細菌の成長,代謝抑制に重要な役割をするとされているペルオキシダーゼ(PO)であるが,顎下腺の分泌顆粒内のタンパク成分の形成局在が雌雄で明らかに異なる所見を呈するハムスターにおける生後の分泌顆粒のタンパク成分生成とPO活性局在との関係について電子顕微鏡的形態分析を行った.その結果,生後の同時期における雌雄間の分泌顆粒の形成(面積)には差が存在するが(雄>雌),個々の分泌顆粒内のPO活性強度はむしろその逆を示す傾向がある事実を見いだした(Okajimas Folia Anat.Jpn.投稿準備中).さらに生後分泌顆粒の形成変化(大きさ)について調査した結果,成長に伴いPO活性を有する顆粒の面積が有意に増加することが明らかとなった.しかしその活性強度は生後5週齢前後にピークを示し,以後は低下傾向を示した(Okajimas Folia Anat.Jpn.投稿準備中). 2,次に細胞機能の指標となるミトコンドリア(Mt)チトクロームオキシダーゼ活性変化を調査する目的で,マイクロウェーブ照射(MWI)固定法を導入した.反応産物は共焦点レーザー顕微鏡と電子顕微鏡で観察した.低温MWI固定により,迅速に良好な結果を得ることができ,Mt膜の保存性についても共焦点レーザー顕微鏡で証明した(医学生物電子顕微鏡技術学会誌投稿中,J.Scanning投稿準備中).さらにマイクロウェーブ照射固定に弱いとされている,ACPase活性における低温MWI固定法の有用性について報告した(愛知学院大,歯学会). 3,一方唾液腺のPOと共に口腔内で抗菌的に働く白血球であるが,その際のフリーラジカル生成について生成するH_2O_2を共焦点レーザー顕微鏡による蛍光で証明し,さらに抗アレルギー剤として使われているTranilastによる,ヒト多形核白血球のフリーラジカル生成に対する抑制についても報告した(第7回Asia-Pacific Electron Microscopy、シンガポール). 4,しかし,口腔内で白血球から生成されるフリーラジカルは,一方では歯周組織に障害的に作用することが考えられる.そこで我々は白血球と口腔内細菌との関係を調べる基礎実験として,歯周病の原因菌の一つとされているBacteroides forsythusの菌株が有する特徴的なタンパクの局在について着目し,免疫組織化学に調査した.その結果,膜の最外層に存在することを証明するとともに(Microbiol Immunol,44,777-780,2000),改良を加えた凍結置換法の有用性を証明した(J.Histochem.Cytochem..投稿準備中).
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