歯の生物学的凍結保存法の検討-超急速凍結法の影響-
Project/Area Number |
10877306
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Conservative dentistry
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川浪 雅光 北海道大学, 歯学部, 助教授 (10133761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 敏明 北海道大学, 歯学部, 助手 (20228159)
菅谷 勉 北海道大学, 歯学部・附属病院, 講師 (10211301)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 超急速凍結法 / 再植 / 歯根吸収 / 歯根膜 / 凍結保存、 / 急速凍結 / 緩速凍結 / 移植 / 歯根膜保存 |
Research Abstract |
1.目的:本研究では、サルの前歯部を用いて、凍結保存歯の再植後の治癒を新鮮再植歯の治癒と比較するとともに、凍結法の違いが再植後の歯周組織の治癒にどのように影響を及ぼすかについて検討した。 2.方法:ニホンザル3頭の上下顎中・側切歯を被験部位とし、抜去直後に移植を行う新鮮群と超急速凍結群と緩速凍結群に無作為に振り分けた。全身麻酔および局所麻酔下で超急速凍結群と緩速凍結群の歯を、歯根膜および歯根表面を極力損傷しない様に注意しながら鉗子を用いて摘出した。培養液に摘出した歯を浸し、超急速凍結群は室温から-196℃まで瞬間的に凍結し、緩速凍結群はプログラムフリーザーによって、20度から-35度まで-0.3度c/分、-35度から-80度まで-4.5度/分、その後液体窒素にいれ、-196度まで冷却して保存した。24時間後、超急速凍結群・緩速凍結群とも室温まで急速解凍し、凍結保存歯を元の位置に再植した。また、この時新鮮群を摘出し、直ちに再植した。再植2ヶ月後に屠殺し、通法に従い、脱灰標本を作製した。標本は歯軸に対して垂直に薄切りし、HE染色を行い、光学顕微鏡にて組織学的観察を行った。 3.結果:臨床検査結果では、新鮮群、超急速凍結群および緩速凍結群とも良好な治癒経過を示し、いずれの診査結果でも、3群のあいだに明らかな差は認められなかった。組織学的観察では、3群とも、大部分の歯根面は歯根膜が正常に回復し、良好な治癒を示したが、部分的には歯根吸収が認められた。歯根吸収はセメント質内に限局した浅いものから、象牙質に及んでいるもの、また、吸収が進行していると思われるもの、吸収が制止して、新たにセメント質が再形成されているものが観察された。根吸収の発現は新鮮群が最も少なく、緩速凍結群、超急速凍結群の順で多くなる傾向にあった。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)