ヒ素含有グリセロリン脂質の解析に基づいたヒ素の毒性発現メカニズムの衛生薬学的研究
Project/Area Number |
10877376
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental pharmacy
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
工藤 一郎 昭和大学, 薬学部, 教授 (30134612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 正典 国立衛研, 環境衛生化学部, 部長 (60168044)
新原 智子 昭和大学, 薬学部, 助手 (60266161)
厚味 厳一 昭和大学, 薬学部, 助手 (70276608)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ヒ素 / アルセノコリン / ホスファチジルアルセノコリン / ホスホリパーゼD / ホスファチジル基転移反応 |
Research Abstract |
本年度は、哺乳動物細胞のアルセノコリン(AsC)存在下における、ホスホリパーゼD(PLD)の反応によるホスファチジルアルセノコリン(PAsC)産生の可能性について検討した。また、PAsCの細胞増殖に与える影響について検討を行った。 1:ヒト単核球系白血病細胞株U937細胞をホルボールエステル(PMA)で刺激すると、プロテインキナーゼCを介してPLDが活性化されることが既に報告されている。そこで、あらかじめ放射標識オレイン酸で細胞膜を標識したU937細胞をPMAで1時間刺激した。まず、PAsCと他の主要なリン脂質が区別できる2次元TLCの系を検討し、開発した。この系を用いて、刺激後の細胞から脂質を抽出した後、生成したPAsC量を測定した。その結果、PMAで刺激した細胞は未刺激細胞に比べ、有意にPAsC生成量が増加した。このことから、U937細胞をAsC存在下で1時間PMAにより刺激すると、PLDを介した経路でPAsCが生成される可能性が示唆された。 2:U937細胞をPAsCの産生が検出できた上で示した条件に基づきPMAで刺激した後、AsCを洗浄して除きさらに培養を24時間続けた。24時間後の細胞数を数え、PAsCの細胞増殖に与える影響を検討した結果、コリン存在下でPMAにより刺激を行いPCを産生させた場合と比べ、細胞増殖の促進傾向が観察された。この傾向は未処理細胞では観察されなかった。 以上の結果より、高等動物細胞において細胞内でPAsCが産生され、さらに生成されたPAsCが細胞増殖に何らかの影響を与える可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)